ワインとの出逢いは、大学卒業後に働き始めた、地元仙台にある一軒家のイタリアンレストランでの勉強会。
まったく同じ料理なのに、ワインと一緒だとまるで味が違うという衝撃。
「食事を美味しくしてくれる飲み物」
その「発見」から、ワインに興味を持ち始め、すぐに虜になってしまった。
ワインは、約8000年前 (BC5000) から飲まれている世界最古のお酒であり、世界中の人々を魅了してやまない。
コーカサス山脈、メソポタミア、エジプト、ギリシャ、ローマ、ヨーロッパ・・・そして神聖な「キリストの血」となり世界へ広まった。
ワインは人類がつくり出したというよりも、自然に発酵したものが偶然発見された。それにはいくつかの諸説があるが、
「食用に収穫したブドウを大きな容器に貯蔵していた時、自重で下の果実が潰れ、自然と酵母による発酵が始まった」というのが定説だろう。
アルコール発酵が微生物によるものだと分かったのが1857年(ルイ・パスツール) それまでの長い間、ワインは科学的に証明されていなかった。
ブドウ果実が、自ずとアルコール飲料であるワインになる「奇跡」
「復活」イエス・キリストの血として選ばれた所以である。
ブドウは潰して放っておけばワインになる。果実に自然と付着している酵母が果汁中の糖分を発酵するからだ。ビールや日本酒・蒸留酒の様な、複雑な工程がいっさい無い。
ワイン発祥の国ジョージアでは、今でも多くの一般家庭で自家用ワインが造られているという。
ブドウ果実は約300万年前から地球上に存在し、酵母はさらに数億年前から存在する。
そんな歴史を紐解いてみると、
「ブドウは 人生の楽しみとして人間に与えられた、神様からの贈り物なのではないか」と思えてならない。
さらにワインは、カラダに良い成分をたくさん含んでいる。
アミノ酸・ミネラル分・タンパク質・ポリフェノール類・・・
さらにお酒として、食欲増進・消化促進・ストレス解消・・・
古代ギリシャでは、ワインは薬としても利用されていた。フランスでは病院でワインが処方されていたという歴史もある。
ワインは特別なお酒だ。
食事を美味しくし、テーブルに彩りを添えてくれる。
時にはヒトとヒトを繋ぎ、時にはヒトと自然を繋げてくれる。
現代アートのような抽象的な美しさが、感覚的に心響く事もあれば、農作物であるその優しい素朴さを感じるときもある。
愛情込めてブドウを育てる栽培者。
想いを込めてそのブドウを醸す醸造家。
その土地、気候、自然
彼らの「メッセージ」と「物語」
ワインの数だけ、物語がある。
これまで約10年間、
ソムリエとして、語り伝えていく中で、
いつか自分でも「物語を造る人になりたい」という気持ちが大きくなっていった。
人生の大きな転換。
苦労もきっとたくさんあるだろう。
大きな壁も乗り越えなければいけないだろう。
それでも、自然の力を信じて。
2018年10月
東京都心のレストランから
長野県のブドウ畑へ
ブドウ栽培への挑戦がスタート。
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