お料理クラブパルタージュの竹本です。
フランス家庭のまいにちの食卓の工夫をお伝えしています。
2018年 リヨン
これまでフランスで愛される家庭料理を中心にご紹介をしてきましたが、
これからはより毎日の食卓に取り入れやすいお料理を意識してご紹介していきたいと思います。
というのも、フランス人の毎日の食卓は”時短”テクニックの宝庫。
優雅なフレンチのイメージが強いフランス料理と”時短”は、なかなか結びつかないかもしれません。
ただ、実際のフランスの話をすると、都市部は特に共働き夫婦が80%を超えていて、そのうえ子供がいる家庭もとても多いのです。
フランス人も日本の私たちと同じように、1日のうちで料理にかけられる時間は実際はとても短く、しかし工夫をして食卓を豊かに彩っています。
フランス的な”時短”とは、単純に料理の時間を短くすることだけでなく、食事の楽しみを失わず、でも無理はしない、とても現代的な食卓のあり方だと私は思っています。そんな工夫を少しずつ、ご紹介していきたいと思います。
1回目の今回は、フランスではいちばんお手軽な料理のひとつ、キッシュです。
目次
ごはんの味方、パン屋さんのキッシュ
photo by LaurelF(flicker)
フランスで一番食卓を助けてくれるお店を挙げるとすると、パン屋さんかもしれません。
食事に欠かせないバゲットはもとより、ショーウィンドーには様々な種類のパン、甘いお菓子、そしてキッシュが並んでいます。
キッシュは実はとても歴史の古い料理で、原型になった料理は中世から記録が残っているそう。
フランス北東部のドイツ国境近く、ロレーヌ地方のキッシュ・ロレーヌが有名で、ラルドン(豚バラの塩漬け)、玉ねぎ、チーズ、卵のシンプルなキッシュです。
今ではサーモンやほうれん草、マッシュルーム、トマトなど具材も様々。パリパリのブリゼ生地(甘くないタルト生地のような生地)の上に、溢れんばかりに具材が詰まったキッシュの美しい断面を見ると、今日の晩御飯に一つ、手を伸ばしたくなるのです。
お手頃なお値段で、熱々でも冷めても美味しいのも、嬉しいところ。そんなところから、フランス人の食卓を実は力強く支えている料理かもしれません。
フランス家庭風キッシュの作り方 (2人分)
今回は冷凍のパイシートを使った、ほうれん草とベーコンの簡単キッシュの作り方のご紹介です。
使う道具も最低限。洗い物も少なく済みます。
材料 | 分量 |
---|---|
冷凍パイシート | 1枚 |
ほうれん草 | 1束 |
マッシュルーム | 2個 |
ベーコン | 30g |
卵 | 1個 |
ピザ用チーズ | 30g(大さじ2程) |
生クリーム | 大さじ2 |
ナツメグ | 適量 |
塩 | 適量 |
器はココットを使います。最初から人数分を小分けに作ることで切り分ける手間がなく、また小さく作ることで中まで火が入りやすくなり、調理時間が短く済みます。
深さのあるココットを使って厚めにしっとりした食感に焼き上げるのも、平べったいものを使って薄めに焼きあげるのもお好みで。(今回は深めのココットを使いましたが、薄い方が早く火が通るので、出来上がりは早いです)。
フランス家庭風キッシュのレシピ
最初にオーブンを190度に予熱します。
冷凍パイシートを凍った状態で2つに切り、室温に置いて柔らかくなったらココットに敷きます。
ココットの壁に貼り付けるように伸ばし、底にフォークで写真のように穴を空けます。
ほうれん草をざく切りに、マッシュルームを8つ切りにして耐熱容器に入れ、ラップをしないで(*ここがポイント!)600wで1分加30秒加熱します。
ベーコンも加え、全体を軽く混ぜたら再び600wで30秒ラップをしないで加熱します。
ベーコンの加熱が終わったら再び全体を軽く混ぜて粗熱を取り、卵を割り入れてよく溶き、ピザ用チーズも加えてさらに混ぜ合わせます。
最後に生クリームとナツメグを加え、軽くかき混ぜたらキッシュの中身(アパレイユ)の完成です。
パイ生地を広げたココットにアパレイユを注ぎ、予熱した190度のオーブンで20分(生地が薄い場合は15分でも可)焼いて完成です。
混ぜて焼くだけの簡単キッシュですが、この通りワンプレートのメインにもぴったり。
ココットを使うことで、最初から1人分を作ることができるので、切り分ける手間も、まな板の洗い物もありません。
皆様のまいにちの食卓に加えていただけると嬉しいです。
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