【まいにちのフレンチ・キッチンVol.9】こころを伝えるレモンマドレーヌ

【まいにちのフレンチ・キッチンVol.9】こころを伝えるレモンマドレーヌ

お料理クラブパルタージュの竹本です。
忙しい毎日を豊かにする、フランス家庭風の料理を研究しています。

 


2013年 Paris

 

少しずつ、以前のように人と会えるようになってきました。
「お久しぶり」の挨拶を交わすことも増えてきて、嬉しく思うこのごろです。
2年間の思い出を共有する時間。今回はそんなときにぴったりなお菓子をご紹介したいと思います。

 

 

マドレーヌは思い出を呼び起こすお菓子

 


photo by Karen Booth

 

作家のマルセル・プルーストは、マドレーヌを「思い出を呼び起こすお菓子」として『失われた時を求めて』に登場させました。

紅茶に浸したマドレーヌの香りが、過去のさまざまな出来事を思い起こさせる鍵になる様子は、懐かしい思い出を語らう時間にふさわしいお菓子だということを思わせます。

マドレーヌの発祥は諸説あるようですが、フランス東部のコメルシーという街で1700年代に生まれたという説があります。この街にあるお城に仕えていた”マドレーヌ”というパティシエが発明したお菓子を王がいたく気に入り、ルイ15世の王妃になった自身の妹に送ったという逸話が残されています。

マドレーヌというお菓子は、その成り立ちから、大切な人や思い出を彩るお菓子だということがわかります。

今回は、お久しぶりの語らいの場を彩る、手土産向きのマドレーヌのレシピをご紹介します。

本来マドレーヌは貝殻型の型で作るのですが、生地が薄いので硬くなりやすく、焼いた後も空気に触れる面が多いので乾燥しやすい難点があります。なので今回はあえて紙製のカップを使用し、レモン味のグラサージュ(砂糖がけ)で仕上げて、日持ちしやすいレシピにしました。

 

 

レモンマドレーヌのレシピ(直径5cmほどのカップ6個分)

 

 

材料

材料(直径5cmほどのカップ6個分) 分量
薄力粉 60g
上白糖 50g
1個
溶かしバター(無塩) 50g
無農薬栽培レモン 1個
バニラビーンズ(無ければバニラエッセンス) 1/2本
粉砂糖 50g
ドライレモン・ドライオレンジなど 適量

*紙製かアルミ製のカップをご用意ください

 

 

バニラビーンズは少量でもしっかりとした香りが付くので、鞘の中身をごく少量ナイフでこそいで加えるだけでOKです。

 

作り方

 

 

大きめのボウルにレモンの皮をすりおろし、バニラビーンズ、卵を入れて撹拌します。

 

 

砂糖を一気に加え、さらに混ぜ合わせます。

 

 

薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい入れ、よく混ざったら溶かしバターを加えてさらによく混ぜ合わせて滑らかな生地を作ります。

 

 

美味しく作るために大切なポイントです。
生地はラップをかけて、冷蔵庫に入れて一晩寝かせます。
こうすることで焼いた時に真ん中が膨らみ、高さがでてマドレーヌらしいコロンとした見た目になります。

 

 

粉砂糖をレモンの果汁で伸ばしながら、グラサージュ用のペーストを作ります。
果汁の量は大体大さじ1杯くらいが目安です。

 

 

ドライフルーツを小さく切っておきます。

 

 

カップに生地を入れて、190度に予熱したオーブンで15分ほど焼きます。
オーブンの熱で溶けて滑らかになるので、あまり表面のデコボコは気にしなくてOKです。
マドレーヌは生地が薄く焦げやすいので、オーブンの中をよく見ながら、時々位置を変えて満遍なく焼き目をつけます。

 

 

焼き上がったら、熱いうちにグラサージュをしてドライフルーツを飾ります。
グラサージュはマドレーヌの熱で自然と全体に広がるので、全体的にたらっとかけて、広がってきたところをヘラで伸ばしてやると満遍なくかけることができます。

 

 

数時間おいて粗熱を取ります。

 

 

出来上がりです。

 

 

しっかり真ん中が膨らむので、ふわっとした食感に仕上がります。

 

 

ほんのり酸っぱくてバニラの香りが贅沢なマドレーヌ。
久しぶりの方に会う時の手土産にもいかがでしょうか。

 

 

 

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