皆さん、こんにちは!
ジャケ買いワインの専門家・岩本すずかです。
私が経営するワインのジャケ買い専門店Wine and Weekendでは、ギフトをお探しのお客様が大変多くいらっしゃいます。
- 「八木さんという方へ贈りたいので、動物のヤギのラベルデザインはありますか?」
- 「バイクが趣味の方へプレゼントしたいのですが、何かおすすめはありますか?」
と、私にとってはまるで”お題”を投げかけられているかのようなご相談をお受けします(笑)
そのワインの持つストーリーやラベルデザインから、ぴったりの一本を探し出し、お客様に喜んでいただくことが、ジャケ買いワインの専門家としての私の仕事と考えています。
今回は、当ワインのジャケ買い専門店Wine and Weekendで起こった少し感慨深いギフトのエピソードをご紹介します。
目次
【感慨深いエピソード】仲の良い同級生へのギフト
先日こんなお客様がいらっしゃいました。50代くらいの男性です。
「同級生が急に亡くなり、ワインをお供えしたい」とのこと。
故人は、ワインがお好きで、生前、よく一緒に飲みに行かれたそうです。お清めのお酒、のニュアンスなのでしょう。
なんとも言い表せない気持ちになりました。
贈るワインというと当店では、
- お誕生日プレゼントに
- 会社の設立祝いに
など、おめでたい場合がほとんどです。
お供えのワインのセレクトは私も初めてのことでした。
恐らく、奥様やご家族が後に飲まれることが予想されますが、ワインのお好みは分からないそう。
こんな時は……「ジャケ(ラベルデザイン)の力」に頼ります。
ワインのジャケットデザインと、そして花言葉からワインをセレクト
この一本をセレクトさせて頂きました。
シャンパーニュの、「ドビ」。
選んだ理由の一つ目は、スパークリングワインは「赤」「白」といったワインよりも苦手な人が少なく、さらにシャンパーニュ(その他のスパークリングよりも高級とされる)ならさらにワンランク上の贈り物感が出る点。
二つ目は、このボトルのシックな出で立ち。ボトルネックの部分から黒く、さらに花の絵があしらわれています。
この花はメゾン(生産者)のシンボルでもある「ひなげし」。
ふと思いたち、ひなげしの花言葉を急いで調べてみました。
すると、
- 別れの悲しみ
- 休息
- 慰め
- 心の平穏
偶然にも、お悔やみの場面にはぴったりの言葉が並んでいたのです。
※花言葉は他にも
- 七色の恋
- 乙女らしさ
- 陽気で優しい
などがあるそう!
結果、私はこのドビを、丁寧にラッピングさせて頂き、お渡ししました。
そもそもワインを楽しくお選びいただくためにコンセプトとして打ち立てた「ジャケ買い」ですが、このような時にもシチュエーションにピタリとはまり、お客様の心を打つ大きな役割を果たします。
セレクトしたワイン“ドビ”とは、こんなシャンパーニュ
生粋の貴族であるマダム・フランシーヌ・ドビによって運営されてきたこのワイナリー(メゾン)は、長年にわたって生産量のほとんどをフランスのシャンパン愛好家達に買い占められてきた、真に知られざる存在でした。
その状況が変わったのは、アヴィーズ(フランス)の醸造学校で自然環境についての教鞭を執っていた娘のフロール・ドビが、2007年、家業を継いで女性醸造家の道を歩むことを決心してから。
新世代らしい開かれた価値観を持つ彼女は、アイ村(フランス)とその周辺のテロワール(生育環境)の素晴らしさをより多くの人に知って欲しいと願い、ワインメディアへの紹介や輸出に取り組み始めました。
実際のシャンパン造りにおいても、化学肥料の使用を止め、農薬も必要最小限度に抑えたリュット・レゾネ(減農薬)栽培を開始したり、樽の使用に工夫をこらしたり、様々な改革を行いました。
ラベルの花は、このメゾンのシンボルである「コクリコ(ひなげし)」です。
「夕食時だけでなく、休日の午後にも心から楽しんでいただけるような、泡のきめが細かい、軽やかで上品なシャンパンを造りたいと思っています」(フロール・ドビ)。
その一本には、秘められたストーリーがあるんです!