こんにちは、栄養士・食育栄養インストラクターの片桐佑香です!
【受け継ぎたいばあちゃんの知恵】は、“食の多様化が進む中でも、10年後も20年後も、ずっと受け継がれて行けば素敵だな”と感じる「ばあちゃんの知恵」が詰まった日本の伝統的な“美味しいもの”を、漬物作り・味噌作りなど、手仕事が大好きな私がご紹介していく企画です。
この季節の旬の食材といえば“梅”。
梅といえば子供の頃、祖父と祖母、弟、従兄弟、みんなでワイワイと庭の梅もぎを楽しんだ思い出があります。そのころから梅が大好きで、祖母が漬ける梅を食べるのが、毎年待ち遠しくて仕方ありませんでした。独特の風味と酸味がたまらないのです。大人になった今では梅酒も大好きです。
今回は梅好きの私がおすすめする、梅の味が引き立ってスッキリと飲める“梅酒”のレシピをご紹介します!
目次
梅について
6月が旬の“梅”。梅干しや梅酒、カリカリ梅、梅ジュースなど、様々な形で楽しめますね。
日本で昔から親しまれている“梅”には、クエン酸が豊富で、疲労回復効果があります。また胃液の分泌・胃の活動を促進する効果があり、食欲を増進させます。そのため、暑くなるこれからの季節、夏バテなどで食欲のない時におすすめの食材です。
しかし、生の青梅は“アミグダリン”という毒成分を含んでいます。摂取すると、頭痛やめまいといった中毒症状を引き起こしてしまうことがあります。そのため、塩漬けや糖漬け・梅酒にするなど、十分に調理・加工してから食べるようにしましょう。
梅酒の知恵
梅酒は普通の砂糖ではなく、氷砂糖で漬けることが多いです。それはなぜでしょうか?
一般的な上白糖で漬けると、砂糖がすぐに溶けて液体中の糖度がすぐに上がる為、梅の実からエキスが十分に染み出す前に、すぐに実が縮んでしまいます。一方、氷砂糖は時間をかけて溶けていくため、すぐに実が縮むことなく、じっくりしっかりと梅のエキスが染み出して、風味豊かな梅酒が出来上がるのです。
また、酒税法により、お酒はアルコール度数20度以上のものを使用します。そして出来あがった梅酒は家庭内で楽しむこと、そして販売しないことがルールです。
梅酒のレシピ
梅酒にはブランデーで漬けたもの、黒糖で漬けたものなど種類がいろいろあります。今回は焼酎と氷砂糖を使用し、甘さ控えめで梅の豊かな風味と酸味が楽しめる、スッキリとした梅酒のレシピです。
焼酎のおすすめは“キンミヤ焼酎”。ほのかな甘みとクリアな味わいが、梅の風味を存分に活かしてくれます。梅は、今回は南高梅を使用しました。大粒で、桃のような豊かな香りが特徴です。
まさに、“梅好きによる、梅好きのための梅酒”!
「梅酒」の材料
材料(作りやすい分量) | 分量 |
---|---|
梅 | 1㎏ |
氷砂糖 | 500g |
焼酎(ホワイトリカー) | 1.5㎏ |
用意するもの
・保存容器(3L以上)
ビンでも、プラスチック製のものでも構いません。焼酎を回し入れて、殺菌しておきましょう。
梅酒の作り方
1.梅はよく洗い、大きめのボールに入れ水を張り、一晩浸けてアクを抜く。
2.梅の水気を布巾などでよくふき取る。竹串を使ってヘタを取り、実に7〜8ヵ所穴を開ける。(※穴を開けることで、漬けた時にエキスがより出やすくなります。)
3.保存袋に梅を入れ、冷凍庫で凍らせる。(※1日くらいで凍ります。※こちらもエキスを出やすくするためのポイントです。)
4.保存容器に、氷砂糖と梅を交互に詰める。焼酎を注ぎ、フタをしっかりと閉め、冷暗所で保管する。
3ヵ月後くらいから飲み始められます。おすすめは半年後から。熟成が進み、まろやかでコクのある味わいになります!
梅の実は3~4ヵ月後を目安に取り出します。そのまま食べても美味しいですし、お砂糖とお水で煮て、“甘露煮”にしても美味しいです。
普段何気ない形で親しまれている梅。実は、隠された「知恵」のおかげで、美味しく安全に味わうことが出来るのです。梅酒作りを楽しんで、半年後、家族や大切な人と、もちろん一人でも、自家製の梅酒を味わってみるのはいかがでしょう?
いつもの宅飲みが、きっと特別なものになるはずです。