この季節の楽しみといえば・・・新米!
「あれ?今日のごはんいつもより美味しい・・・お母さんもしかして新米?」
なんて会話が全国でされているのでは?(わが家だけ?)
さらに、
「いつものコシヒカリ?ああ、ミルキークイーンなんだ!」
なんて、品種についても会話がされているのでは?(昨晩のわが家)
お米に品種があって、品種で選ぶということはかなり定着していますが、
日本茶にも品種があるって、ご存知ですか?
vol.2「花粉症の人におすすめしたい日本茶」でも品種について少し触れましたが、今回はマインドフルネスの観点での品種の選択についてご紹介します。
目次
日本茶が品種化されている理由
茶の木はその昔は種から育てていました。
これは「在来種」と呼ばれています。
種を取って育てていくということを何代にもわたり繰り返すことで、その土地や気候に適応して、固有の特徴をもったものになります。
しかしながら茶の木は「自家不和合成」といって、自家受粉をしない(同じDNAをもつもの同士は交配しない)ため、木ごとに個性が異なります。
それでは栽培や製造の効率がよくないため、優良な木を選抜して固定する品種化が進み、平成29年時点で97.3%に達しています。
今では種から栽培することは非常に少なく、挿し木や苗から育てられている「品種茶」がスタンダードです。
マインドフルネス的には●●みどりがおススメ!
vol.7「日本茶マインドフルネス~かぶせ茶のススメ~」で書きましたが、日本茶マインドフルネスに貢献する成分はテアニンです。
このテアニンを豊富に含む品種こそが選ぶべき品種です!
マインドフルネス的におススメの品種、それは、
「さえみどり」
です。
品種の王者「やぶきた」と天然玉露と称される「あさつゆ」を親に持つ早生の品種で、人気が高まっています。
テアニンは、やぶきたの約1.5倍含まれています。
品種によって成分量は異なりますが、さらに同じ品種でも栽培・製造方法によっても異なります。
では消費者が希望する成分を摂取するためにできることはなにか?
☑品種を選ぶこと
☑適した栽培・製造をされたものを選ぶこと
☑適した淹れ方で抽出すること
です。
では、どのように栽培・製造されたお茶をどのように飲むといいのでしょう?
マインドフルネス的さえみどりのいただき方
テアニンを豊富に含むのは、一定期間遮光して育てたお茶です。
その中でもお手頃に飲めるものとしてvol.7ではかぶせ茶をおすすめしました。
かぶせ茶農家としてご紹介したマルシゲ清水製茶さんでも、さえみどりをつくっています。
こちらももちろんいいのですが、含まれている成分を全て摂取するなら、
「抹茶」でいただくのが一番です!(粉茶もありですね)
一日どれくらい飲んだらいいの?
ヒト介入試験によって、特に不安の強い人であれば50mgのテアニン摂取でリラックス効果が発揮されることが報告されています。
さえみどりの荒茶100g中のテアニン含有量を2300mg(参考資料より平均的な数値をざっくり設定)とすると、2g強で摂取できます。
(カフェインの影響等々も検証しなくてはいけないのでなんともざっくりな数値であることはご容赦ください)
だいたい、こんな量です。
点ててみました。
たっぷり一杯で楽勝ですね~。
ちなみにこちらは古川製茶さんのお抹茶であさひ・うじひかり・さえみどりが合組されたもの。
ということはこれまたざっくり3杯くらいいただけば・・・て、なんだか飲む言い訳を作っているような・・・。
2時間程度はリラックス効果が持続するようですので、朝・昼・午後のお休憩にいただくのはいかがでしょうか?
抹茶じゃないとダメなの?
「Vol.7を読んでかぶせ茶を買ったのに~」「抹茶は点てられない~」という方、安心してください!
茶殻をいただけばいいのです!
玉露や高級茶を提供する日本茶カフェでやっていることが多いのですが、飲んだ後の茶殻を軽く絞ってポン酢をかけるだけでいい肴になります。
ちなみにわたしのオススメは鹿児島の甘いお醤油をかけるいただき方です。
そこにジャコやゴマを加えてもいいですし、なんなら佃煮にしても♪
さえみどりじゃないとダメなの??
単純にテアニンの多さでいくとさえみどりですが、薬ではないですし、好みもありますし、ご自分が美味しいと感じるお茶をいただくのが一番だと思います。
これを言うとこの記事の根底を覆すようで身も蓋もないんですけどね。笑
ちなみにさえみどりはボケ防止にいいと言われるケルセチンも豊富です。
転ばぬ先の杖に飲んでおくのもいいですよね。
スーパーなどでは見かけることは少ないので、地元のお茶屋さんや生産者さんが直売されているお店に問い合わせてみるか、ネットで検索するとAmazonや楽天などでもみつかります。
これからの季節、寒さや曇り空、自律神経の乱れで気分がふさぐことがあります。
日本茶がごぶさたな方もさえみどりでほっこり、いかがでしょう?
参考文献
1) 公益社団法人日本茶業中央会「平成30年版茶関係資料」より
2) 九州農業研究第64号作物部会「茶品種‘さえみどり’の玉露適応性」より
3) 日本農芸化学会誌/72 巻 (1998)「2 号L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響」