ワインとは、ブドウの果汁中にある糖分を、酵母のアルコール発酵によってエチルアルコール(+二酸化炭素)に変えた飲料である。
ブドウ果実に含まれる糖分を直接発酵させるので、それだけ他の酒類とは違い、原料となるブドウの品質がそのままワインの味わいとなって表れる。
ブドウの品質は、
- 育つ自然環境(気候、土壌、標高など)
- 栽培環境(日当り、風通し、栽培方法、仕立てなど)
- 栽培品種
などの影響を大きく受ける。
そのため、土地の自然条件はとても重要なものとなってくる。
今回は、
- ブドウの種類・品種
- 最適な育成環境
をご紹介させていただきます。
目次
ブドウの種類や品種について
一般的なブドウは、ブドウ科ブドウ属つる性落葉低木植物で、ブドウ属には多くの種類があるが、原産と考えられる地域により、
- 欧・中東系種
- 北米系種
- アジア系種
に大別される。
世界的にワイン用として利用されているものは、欧・中東系種が多く約5000品種あると言われ、そのうち現在栽培されているのが1000品種、主要品種が100種類ほどと言われている。
さらに
- 果皮の色
- 果粒の形
- 果肉の色
- 果実の香り
など、形質による分け方が様々あり、多くの品種から好みのものを選ぶ事ができる。
これだけ、世界には様々なブドウ品種が存在し、それぞれ違ったブドウから造られるワインには当然いろいろなタイプがあり、例え同一品種でも産地が異なると栽培地の自然条件などにより異なった風味のワインとなる。
ブドウの生育に最適な自然環境とは?
ブドウはとても強い植物だ。
土壌適応幅が大きく、乾燥、寒さにも強い。なので、多くの国、様々な場所で栽培されている。
だが、世界の全ての国で栽培されている訳ではない。ある一定の条件を満たした、選ばれた場所でのみ栽培が可能である。
「年平均気温」が10~20℃が栽培適地とされ、北半球では北緯30~50度、南半球でも30~50度。
生育期間の
- 「日照時間」が、1000~1500時間
- 「年間降水量」が500mm~900mm
- 「土壌」は、保水性・排水性の良い場所
が望ましい。
さらにブドウ樹は他の栽培作物と比較して土壌中の窒素成分が少なくても生育するため、必要な水分供給が可能であれば、ブドウ栽培には痩せた砂利、礫質土壌が適していると言われている。
ただ世界には例外的に、特殊な気候、土壌条件から偉大なブドウが栽培もされている。
日本におけるブドウ育成環境とは?
日本におけるブドウ育成環境は、以下のように表にまとめられる。
条件 | 日本の環境 | 評価 |
---|---|---|
緯度 | 31.3~44.1(※日本では鹿児島県吐噶喇列島の口之島以北) | ○ |
日照時間(生育期間) | 産地により異なる | △ |
年間降水量(平均) | 1718mm(産地により異なる) | × |
土壌 | 産地により異なる | △ |
嬉しい事に日本はブドウが栽培可能な国であり、南西諸島(九州南部)を除くほぼ全域でブドウが育ち、北海道から九州までの広い範囲においてブドウが生産されている。
ただ、これはあくまで生食用ブドウの話であり(生食用が9割近くを占めている)、 ここに至まで数々の失敗、困難、試行錯誤を繰り返しながら発展した歴史がある。
日本はブドウ栽培が可能な国であるが、決して恵まれた気候(土壌)を有している国ではない。
次回は、日本でブドウが栽培されるまでの歴史やワインが普及するまでの軌跡をご紹介!
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