【ワインは特別なお酒】ソン ユガンのブドウ栽培挑戦への始まり

【ワインは特別なお酒】ソン ユガンのブドウ栽培挑戦への始まり

「長野」という土地を「ブドウ栽培に挑戦する場所」として選んだ。

 

「良いワイン」を造るには「良い原料」がいる。

 

 

 

長野県のブドウ栽培に適した「自然条件」

 

美味しいブドウがどこでもできるわけではない。

 

選ばれた土地、恵まれた自然条件が揃ってはじめてその果実を得る事ができる。

 

 

 

ブドウ栽培に適した環境①「日照時間」が長い。

長野県の年間日照時間は全国平均の1978時間を上回る2028時間。

 

しっかりと光合成をおこない高い糖度を得るためには、生育期間中(北半球では4月下旬~9月ごろ)に十分な日照が必要とされている。

 

これは、長野県が内陸で空気が清浄で雲ができにくいためである。

 

 

 

ブドウ栽培に適した環境②日本一「雨」が少ない。

順位 都道府県 年間降水量(単位:mm)
1位 高知県 3659
2位 鹿児島県 2834
3位 宮崎県 2732
〜〜〜〜 〜〜〜〜 〜〜〜〜
45位 山梨県 1190
46位 岡山県 1143
47位 長野県 902

 

(参照:都道府県格付研究所

 

年間降水量が一番多い県は高知県で3659mm、二位は鹿児島県で2834mm、三位は宮崎県で2732mmに対して、長野県は902mmという少なさ。

 

これは、海から遠く離れており周囲を山脈に囲まれているため、台風、低気圧、前線などの影響を比較的受けにくいという内陸気候の特徴のためである。

 

夏季乾燥し、気温おだやかな気候を好むブドウ(ヨーロッパ系品種)にとって、生育期間中、収穫前の雨はその品質を大きく低下させてしまう。

 

降水量はブドウ栽培を考える上で、とても重要な点である。

 

※世界的にみても「日本」は降水量が多い。なんと降水量が世界で二番目に多く、世界の平均降水量の約二倍降るのである。

 

 

 

ブドウ栽培に適した環境③寒暖差が大きい

長野県は海岸から遠く離れた内陸に位置していることから、全県的に内陸特有の気候で、昼夜の温度差が大きいという特徴がある。

 

海(海風)の影響が少ないため、一日のうちで最も高い気温と、最も低い気温との差(日較差)、一年のうちで最も高い月の平均気温と、最も低い月の平均気温との差(年較差)がある。

 

夜間気温が下がり涼しくなることで植物呼吸が落ち着き、糖分エネルギー消費が抑制され、昼間に作られた糖分をしっかりと蓄積させることができることで、より高品質な果実が収穫可能である。

 

 

 

ブドウ栽培に適した環境④標高が高い

長野県は「日本の屋根」と呼ばれるだけ、周囲を3,000m級の山々に囲まれているばかりではなく、県全域の標高が高いことでも知られている。

 

主要都市の市役所の標高をみると、長野市362m、松本市592m、諏訪市761m。ちなみに、日本一高い建造物・東京スカイツリーが634mなので、長野県の標高の高さが伺える。

 

県内のワイン産地も、標高400〜800mと高い位置に開かれていることが多く、今後の地球温暖化を考えると大きなアドバンテージになるといえる。

 

 

 

ブドウ栽培に適した環境⑤傾斜地の多さと多様性

「信州ワインバレー」のように水はけに有利な傾斜地が県内で多くみられる。

 

透水性の高い、大小の河川が運んだ小石や砂混じりの土壌も各地に広がっている。

 

さらに南北に長く広い面積を有する長野県には、多くのブドウ栽培適地が存在し、それぞれ異なった気候、土壌を有し、多様性を生み出している。

 

 

 

ブドウ栽培への挑戦

 

データをみることで長野県がいかに日本国内でブドウ栽培をするにあたって優位な自然条件を有しているかが分かる。

 

世界的にみたら厳しい環境かもしれない。

 

でもここから挑戦が始まる。

 

 

 

 

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