バレンタインがやってくる。昨今、先進的な世界のショコラトリーでは、持続可能(サステナブル)な社会に向けた取り組むを積極化させている。
例えば1976年に創業したベルギー王室御用達ブランド「ガレー」。コートジボワールにて90%の森林が伐採されている理由がカカオ栽培によるものだと知り、森林を守るためにカカオ生産に必要な5万本以上の木を植樹する支援に乗りした。また、貧困問題解決のフェアトレードに参加するなど、「おいしい+α」の価値を模索している。
似たような活動をしているのが、オランダの「オリジナルビーンズ」だ。「ONE BAR:ONE TREE」をコンセプトに掲げており、1枚のチョコレートを販売するごとに、1本のカカオの木を原産地に植樹するという取り組みをしている。アマゾン辺境地や東コンゴなどの生活が苦しい地域に100万本以上のカカオを植樹している。
どちらも“cacao donation”と言えるほど、カカオを通じて地球にも人にも優しい活動をしている。
そんな“カカオ×サステナブル”の切り口に注目度が高まる中、取材したのが岡山県矢掛町にあるショコラトリー会社。
サステナブルで、すべては「Bean To Bar」のチョコレートを店頭に並べているが、これまでプラダクトが最高だった。
石材メーカーと石彫アーティストという異例の職歴がタッグを組んで、ショコラブランドを立ち上げた点もユニークだが、実は石とチョコがおいしくなる秘訣に親和性があったなんて、取材するまでは知る由もなかった。
“石”の技術を用いてつくる、高級で健康的なショコラは、どれも香料、保存料、植物油脂は一切入らない。素敵すぎる。
2月のバレンタインを終えてから、弊社も正式に公式アンバサダーとして、認知度向上に貢献していく機会をいただけそうだ。理由はシンプルに、「私自身がこういうチョコレートを待っていたから」だ。
日本国内で疲れたカラダを癒すチョコレートは、高品質で、原材料に妥協がなくて、想いがあるものが心地よい。
その点、issaiは、忖度なくクオリティーと活動内容に太鼓判が押せる。これから確実に人気が高まるショコラブランドであると断言ができる。
さて、今年のバレンタインは、味や見た目だけでなく、“想い”を乗せてみてはどうだろう?受け取った誰かの健康や体調、その先を考えた罪悪感のないチョコレート。
贈る相手が、アスリート志向の経営者、もしくは人前に出る演者のような仕事をしているのであれば、カラダに対して感度が高ければ高い人ほど、issaiのショコラ商品を手に取れば、喜ぶは倍増、いや、3乗するはずだ。
目次
岡山県矢掛町に佇む、1店のショコラトリー
2017年11月、矢掛町で採石と加工を行う石材店の社長と彫刻家によってスタートした会社が、イシヤマユウエン合同会社だ。これまでの“石”にまつわる経験を生かし、日々の暮らしで実感できる豊かで楽しいコトとモノづくりを提案することを目的とした。
そして、イシヤマユウエン合同会社の初めの事業として、カカオの美味しさと石の魅力をお届けする「石挽カカオissai」を2019年4月にオープン。Bean to Bar 製法で作り出されるチョコレートは、店名の通り昔ながらの石臼によって仕上げられている。
その石臼は、矢掛町採石の白色花崗岩を使用。シックな、かわいらしい、白城のようなお店。矢掛町ならでは、岡山県ならではの営業・商品開発をしていきたいと思い、この地にお店をOPENした。カカオニブの製造は皮剥きの作業を社会福祉施設に委託。新商品開発については、クラフトビール工房、洋菓子店の協力を得ながらコラボ商品などに積極的に取り組んでいる。
入口から鼻孔をすり抜ける、カカオの薫り
入口を入って、すぐに立ち込めるのはカカオ、チョコレートの上品な香り。この時点で、美味しいとわかるのは、不純な油の香りがしないこと。そして、石臼で摺るようにして砕いたチョコレートだから、何倍にも香りが立つそう。納得である。
このように店内カウンター、什器、工房に至るまでふんだんに矢掛町産花崗岩を使用しており、石材のショールームの一役も担っている。
issai=1才。石材の体積の単位
「issai(イッサイ)」は石材の基本的な単位、1辺が1尺(約303mm)の立方体の体積を「1才」というところから名付けらている。
*関西では才、関東では切が使われるそうです。
店舗のロゴには、303の3乗の文字。「基本を大切に真面目に人と素材に向き合っていく」という意味が込められているそうだ。
お店で絶対に試してほしいチョコレートドリンク!
『アイスショコラ』 600円
原材料:チョコレート(ガーナ+きび糖)、牛乳
Bean to Barの特製を生かし、タブレットチョコレートだけでなく、カカオニブなど、素材であるカカオをもっと気軽に楽しんでもらおうというコンセプト。その場でつくってくれるアイスショコラ。これが、おいしすぎる。
1杯飲んでも、お腹がもたれないのは、不純な油や白砂糖が入らないからだ。カカオのおいしさを存分に楽しめる1杯。
「それぞれの素材の配合率を決めるまで試行錯誤をして、見た目にもこだわった1品です。」そう話すのは代表の松村氏。
「チョコソースとミルクが2層にわかれるように提供し、それをお客さんが混ぜることによって最後のレシピが完成する設計にしました」と松村さん
冬の取材は、『ホットショコラ』で温まりましたw
原材料:チョコレート(ガーナ+きび糖)、牛乳
温まりますね~~!!ホットも、最高に美味しいですし、くどくない。ショコラよければ、すべてよしなのです。
チョコレートの形状を店舗のイメージのキューブ型にして、ミルクと混ぜやすいように木製のスプーンをチョコレートに立てた状態で提供。ホイップされたフワフワのホットミルク、その上にカカオニブを乗せて、一層にカカオ感を醸す。
チョコレートをカップに入れた瞬間、ホットミルクが溢れそうなスリルと、早く溶かしたい焦燥感からくるドキドキが楽しい。一口飲むとその感情の浮き沈みをショコラが優しく包んでくれるようだ。。ちなみに、くじ付きになっているそうです!(笑)
こちらを溶かすと、おうちでも同じようにチョコレートドリンクが楽しめます!
「ニブロック」の食感・味が唯一無二の美味しさ
2021年の新商品が、この「ニブロック」シリーズだ。地元産のドライフルーツなどを使用して、唯一無二のカカオフードとなっている。私も、この「ニブロック」という商品がissaiのブランドの中でも、秀逸に美味しいと感じ、また食感としても唯一無二であると思うので、特集することにした。
『ニブロック ~青トウガラシ~』
原材料:カカオ豆(ソロモン諸島産)、きび糖、乾燥青トウガラシ(岡山県製造)、カカオバター、塩
『ニブロック イチゴ』
カカオ豆(ソロモン諸島産)、きび糖、乾燥イチゴ(岡山県製造)、カカオバター、塩
『ニブロック キンカン』
カカオ豆(ソロモン諸島産)、きび糖、乾燥キンカン(岡山県製造)、カカオバター、塩
もともとissaiのカカオニブは、手作業で製造されるため大粒で不純物のないクリーンな商品であることが特徴。安心してそのまま食べることができる。そこで、「よりダイレクトにカカオニブを楽しみ、岡山の地産地消を感じられるような商品ができないか?」と開発されたものが、新感覚カカオフード「ニブロック」だった。
実際のカカオニブはこちら。カカオニブ単体としての商品も非常に人気を博している。
地元の障がい者雇用施設との連携で商品開発
例えば、カカオ豆の皮むきやパッケージングに関わる作業は手間と時間がかかるため、その作業の一部を社会福祉施設に委託している。(岡山県倉敷市船穂町 ワークほほえみ船穂)また、自社で完結できない新商品の開発を外部企業と協力して行うことも特徴である。
協同組合レインボー・カフェ・プロジェクトさんとも提携
岡山県倉敷市にある、障がい者の自立支援を目的とした事業協同組合。2010年7月より活動を開始。医療・一般企業・福祉事業所といった異業種間の協同組合で行うのは日本初の取り組みであり、ドライフルーツ商品などを製造販売している。
【岡山のドライフルーツ専門店】王様のおやつオンラインショップでは、岡山・瀬戸内海周辺地域のこだわり果物農家様と提携し、独自製法のドライフルーツ関連商品を中心に、全国へお届けしています。
https://rainbowpro. thebase.in
食品衛生管理者、食品衛生責任者、製菓製造業許可を取得しており、保健所の方針を遵守し、安心安全な食品の加工・出荷・販売(アンテナショップ・催事)を行っており、issaiのカカオニブを合わせた新商品も検討中。
もともとのコンセプトは、障がい者の自立だった。それには、よき理解者の協力のもと、障がい者が主体となる事業によって彼らの社会参加を可能にする“持続的なビジネスモデル”の構築が必要だと感じていたそうだ。レインボー・カフェ・プロジェクトは、そのための支援機関としての役割を担っている。
Rainbow(虹)の名のとおり、障がい者、支援者、企業を結び付ける架け橋になれたら。そして、Café(カフェ)のように、さまざまな人が集うコミュニティになれたらと考えて名付けられた。
ここでも“持続化モデル”という点でもつながりが生まれている。
今後の抱負として。業務用チョコブロックの拡販を
写真が、彫刻家でもある代表の松村氏。手に持っているのはチョコブロックである。
もちろん完全無添加。カカオバターや乳化剤などは一切使用していない。今後都内のパティシエやレストランなどに卸をしていきたい考えである。
「基本的には自社ローストしたカカオ豆と和三盆糖またはきび糖を使用し、カカオ70%で製造しております。お客様のニーズに合わせて、お好みの産地・砂糖・配合率で製造も承ります。シングルビーンのチョコレートをご堪能ください。」と松村さんも想いを馳せている。
編集後記;私が「issai」を心から応援する理由
すべてのチョコレート商品、ドリンクだけではなく、「カカオの魅力や美味しさを伝える店舗でありたい」という情熱が、スタッフ全員から本気で伝わってくるからだ。
「美味しい」、「インスタ映えする」というTiktokやSNSでの拡散を基軸に置き、いいねの数や他者評価という“スコア化”された食がトレンドになっていく風潮に、私はうんざりしている。
いつから動画のための食シーンになったのか。
動画で探して、同じものを見つけて、またそれを撮影して満足する。
やっていることは、スタンプラリーである。食の醍醐味と別の切り口が、優先になっている。
でも、issaiは一切の妥協を許していない。それは生産者自身にである。
“Bean to Bar”という概念を軸に、本来のショコラの在り方を本気で考えながら、カラダに優しい商品を、そして美しいビジュアルを追求して、最後まで製造している点が素晴らしいのだ。
メニュー構成から店名を「石挽カカオ」としている。タブレットは追油などをしない無添加ピュアチョコレートである。カカオニブをダイレクトに楽しむカカオ商品の「ニブロック」、その可能性を広げるドリンク、チョコレート×アルコール商品など、とにかく素材を大切に商品を開発している理念が、私には共感している。。
ちなみに、写真は『大人のアイスチョコラ, ソロモン』。
おいしいから今年の夏は、おすすめです!ショコラが安心できれば、すべて安心だ。