【若宮寿子のヘルシークッキング vol.2】HACCPでウイルス、食中毒予防!

【若宮寿子のヘルシークッキング vol.2】HACCPでウイルス、食中毒予防!

こんにちは、私は栄養士・フードコンシャスネスインストラクターの若宮寿子と申します。

 

新型コロナウイルスの感染拡大と、真夏の暑さが一度にやってきた今年の夏。気温が上がるともう一つ心配なのが食中毒です。

今回は、「HACCPでウイルス、食中毒予防」についてご紹介いたします。

 

 

HACCPでウイルス、食中毒予防

(1)食中毒予防対策はHACCPで!

 

 

来年6月にすべての食品事業者にHACCPに基づく衛生管理が求められようになり、現在は来年6月を目指し移行期間中となります。食品事業者はもちろんですが、家庭の衛生にもHACCPを知って衛生管理を行うととても合理的に食中毒予防ができます。

 

(2)HACCP(ハサップ)とは

 

 

HACCPは(Hazard Analysis and Critical Control Points)の頭文字をとったもので、 危害分析(HA)・重要管理点(CCP)といった意味になります。

開発されたのは1960年代、米国航空宇宙局(NASA)の宇宙食作りの場でした。宇宙飛行士が宇宙で食中毒になったらそれは大変。

HACCP導入前は宇宙食の最終製品の検査によって安全性を保証、ロケットに積まれました。しかし、食品、時間のロスが問題点でした。

HACCPは食材の搬入、保管、調理、梱包などの製造における重要な工程を連続的に管理して、雑菌や異物の混入する要因を先に分析します。

そして特に重要なポイントでは殺菌温度など科学的な管理基準を作り連続的に監督・記録して危害を防ぐ手法として作られました。1993年には安全な食品を製造する方法として国際的な衛生基準として国連の専門機関で認められ、すでに、多くの国で義務化されています。

 

(3)食品事業者のHACCP導入のメリット

 

 

  1. 食品の安全性の向上
  2. 競争力の強化
  3. 組織全体の意識の一体化
  4. 作業経験が科学的に裏付けできる
  5. 安全が維持できる

 

食品事業者と言っても色々な業種があるので、業種にあった導入の手引き書が各種あります。作成例を参考にしながら、プランを作ることができます。

 

(4)家庭のHACCPから衛生の基本を再確認

 

 

厚生労働省は、家庭でも食中毒予防にHACCPを推奨しています。衛生管理の基本は食品工場も家庭も同じで、家庭での買い物、料理など、一連の流れの中で雑菌がどこで入るか考え、対策すると食中毒のリスクを抑えることができます。

 

 

家庭のHACCP6つのポイント

食中毒予防の三原則

つけない!増やさない!やっつける!

 

買い物

つけない

肉、魚のドリップが、生野菜につかないよう備え付けのポリ袋にいれ持ち帰る。

 

増やさない

雑菌の繁殖しやすい温度帯は10度~60度、保冷バック、保冷剤で、雑菌の好む温度帯を作らないようにします。

 

 

食材保管

増やさない

帰宅後は常温に放置せず、冷蔵庫、冷凍庫で保管。

 

増やさない

冷蔵庫を過信せず、早めに使い切る。食材の詰めすぎで保冷温度が上がらないよう庫内の整理整頓も心がける。

 

 

調理前

つけない

調理前の手洗い。手拭きタオルは湿って、雑菌が繁殖しやすいので、毎食の支度ごとに交換するか、ペーパータオルを使用する。

 

つけない

肉、魚、卵をさわったら、必ず手を洗い2次汚染を防ぐ。

 

 

調理

つけない

動物に触る、トイレの後、おむつ交換、鼻をかむなどしたときは、必ず手をあらう。

 

やっつける

肉、魚は十分に加熱する。中心温度計があると、迷わず加熱の状況が把握できます。肉、魚は中心温度75度1分の加熱が必要です。

 

 

食事

つけない

食事の前の手洗い。

 

増やさない

室温で放置しない。もしも、腸管出血性大腸菌O157に汚染されていたら、室温で15~20分で菌は2倍に増えます。すぐに食べない場合は冷蔵庫に入れます。

 

 

残った料理の保存

増やさない

常温に置かず、速やかに冷蔵保存する。

 

やっつける

温めなおしは十分に加熱する。75度1分が目安。

 

やっつける

常温で長く放置したり、時間がたち過ぎたら思い切って捨てる。

 

 

 

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