【ワインは特別なお酒】ソンユガンのブドウ栽培挑戦〜定植後〜

【ワインは特別なお酒】ソンユガンのブドウ栽培挑戦〜定植後〜

5月中旬の定植完了後、気温の上昇に伴い萌芽(芽ばえ)が始まった。

 

 

 

萌芽のはじまり

 

 

 

ブドウの芽(冬芽)は、寒さに耐えられるように堅い鱗片に覆われている。芽の内部では、翌春萌芽する花穂と新梢がすでに形成され、柔毛に包まれている。その柔毛から少しづつ顔を出す芽がとても可愛らしい。

 

 

 

展葉と新梢生長

 

 

 

 

 

萌芽後、展葉が始まる。1新梢に葉が6〜7枚開くところまでは、樹体内に蓄えられた養分で生育すると考えられている。

新梢の成長には同化養分である炭水化物と、根から吸収される無機養分の両方が急速に利用されるが、萌芽・展葉直後の新梢生長初期には、光合成を行える葉がない。

従って、それらの初期生育に必要な炭水化物は、枝や幹、根などに含まれる貯蔵養分を利用するしかない。これは前年の葉が、落葉期までに光合成して生産したものである。

 

 

 

根の発達と養分吸収

 

 

展葉6〜7枚目以降の新梢の本格的な生長(花穂の発育)には、根から送られてくる各種の養分が必要である。根の中で生産される成長ホルモンが、新梢の初期生長や花穂の発達を促すとされている。

それらの物質が、茎の成長点や花穂に送られてくることによって、栄養分を活発に引き込み、細胞分裂を促すことによって新梢や花穂の初期生育を可能にしている。

 

 

 

新梢生長と環境条件

 

 

新梢生長の強弱は、そのブドウにおける環境条件も大きく関係している。

 

(1)温度

発芽の早晩、新梢の初期生長は、温度条件によって大きく支配される。それは、体内の貯蔵養分の移行や代謝、その為のエネルギー生産する呼吸などのいずれも、温度が高いほど活発に行われるからである。

 

(2)地温

地温は、根の養水分の吸収、各種の養分やホルモンの合成、貯蔵養分の転流などを直接的に支配するので、発芽および新梢の生長には大きな影響を与える。

 

(3)土壌通気

土壌の表層に硬い層ができたり、湛水状態なったりすると、土壌の通気が不良になり、根は充分に呼吸できなくなる。それによって、根の呼吸低下に伴い、養水分の吸収などの生理作用が低下する。

 

(4)水分

根による養水分の吸収、体内における養分の合成や移動、代謝は、全て水の存在の元に行われるものであるから、ブドウ樹の全ての生長に水がなくてはならない。とくに発芽および新梢成長期、根が活発に無機養分を吸収し、体内の貯蔵養分とともに、地上部へ流動して新梢の生長に利用されるため、水分が不足すると、当然、新梢生長が著しく劣る。

 

 

 

新梢の芽かき

 

 

 

 

まだ植え付け2年目の若木なので、芽かきの数は多くないが、しなければ行けない作業である。

昨年の冬期剪定で切り詰めた枝に残した芽から新梢が発達するわけだが、昨年の暖冬による早い芽吹き、遅霜の影響、苗木輸送時の欠損を考慮し、多めに芽を残した。残した芽から発芽した新梢の中から最も勢力が強く、真っすぐに伸びている新梢を1本選び、その他はかき取る。

(主芽だけでなく、副芽も伸びることがあるため、副芽は除去して主芽だけにする)

 

 

 

花穂の除去

 

 

ブドウ果実のもとである花穂は除去する。花穂と新梢は、それぞれの生長において養分競争を行うので、花穂を残してしまうと果実生産へ優先的に養分を消費してしまう。今の若木時点では、果実生産よりもブドウ樹本体の生長の方が重要であるので、将来の為に、花穂は全て除去する。

 

 

 

今後の生育

今年の生育具合で、初収穫の時期がある程度見えてくるだろう。来年なのか、再来年なのか、今後のブドウ樹生長がとても楽しみである。

 

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