お料理クラブパルタージュの竹本です。
日常生活に取り入れて楽しむことのできるフランスの家庭料理をご紹介しています。
秋のブルジェ湖(サヴォワ地方/エクス・レ・バン)
短かった夏も終わり、今年も暦通り、秋がやってきました。
夏が終わるという言葉にはほんの少しの寂しさがありますが、秋は実りの季節。物悲しさをすぐに忘れさせるような御馳走が、次から次へと食卓に登場します。
そして少しずつ肌寒さを感じるこの季節は、温かな料理がふと恋しくなる季節でもあります。
今月はこんな季節にぴったりな、秋の食材を包んだパイ、「秋鮭のクーリビヤック」をご紹介します。
目次
ロシア生まれのフランス料理「クーリビヤック」
クーリビアック。なんだか変わった名前ですが、ロシアにも同じ名前の料理があります。
フランスの宮廷料理に影響を受けたロシア料理がフランスに伝わったとか、元々ドイツからロシアに伝わりフランスで流行したなど説がありますが、20世記初頭に出版されたフランス料理の大辞典『料理の手引き(Le Guide Culinaire)』にも登場するフランス料理の古典です。
毎日の家庭料理というよりも、「よし、今日は料理を頑張ろう」と思い立った日に作る、少し手の込んだクラシックな料理、といった位置づけでしょうか。
日本人は少し驚くところかもしれませんが、この料理はパイで包む具材に「お米(ピラフ)」が入ります。
これはロシア料理でお米を様々な料理の具材として利用する名残のようで、ロシアではピロシキにお米を詰めることもあるそうです。少し抵抗があるかもしれませんが、是非ここはオリジナルのレシピ通りに沿って、食材としてのお米の一面をぜひ発見していただきたいと思います。
クーリビアックの一般的な食材は鮭、お米、卵そしてソテーしたエシャロット(今回は玉ねぎで代用)やパセリです。
今回は今の季節に美味しい秋鮭、きのこやカボチャを使ってアレンジしてみました。
秋鮭のクーリビアックの材料(パイ生地2〜3枚分)
材料 | 分量 |
---|---|
冷凍パイシート | 長形2〜3枚 |
秋鮭 | 200g |
卵 | 2〜3個 |
カボチャ | 薄切り3〜4枚 |
玉ねぎ(小〜中) | 1/2個 |
ニンニク(小) | 2片 |
エリンギ(またはヒラタケなど) | 大1本程 |
パセリ | 1枝 |
白ワイン | 50ml程 |
バター | 10g |
塩・胡椒 | 適量 |
材料〈ピラフ〉 | 分量 |
---|---|
米 | 70g |
白ワイン | 20ml |
水 | 450ml |
バター | 10g |
固形コンソメ | 1/2個 |
胡椒 | 適量 |
今回は旬の食材、北海道産の秋鮭を使いました。
秋鮭は産卵のために戻ってくる鮭で、卵に栄養が行くので比較的身は締まっていてサッパリしているのが特徴です。
好みはありますが、バターたっぷりの生地に包んで蒸し焼きにするには適した食材です。
秋鮭のクーリビアックの作り方
下準備
卵は固茹での茹で卵にして縦に半分に切っておきます。
秋鮭は少量の塩を振って下味をつけておきます。
鮭の皮を剥いで、骨抜きやピンセットで骨を抜きます(皮の部分は使いません)。
米をバターで軽く炒めます。
白ワイン、水、固形コンソメ、胡椒を加えて軽く煮たったら蓋をして15分ほどごく弱火で加熱するとピラフが出来上がります。(水分が少なくなっても米が硬い場合は水をさして、中まで柔らかくなるまで加熱してください)
みじん切りにした玉ねぎ、パセリ、薄切りにしたニンニクを加えてバター、塩胡椒でソテーします。
最後に白ワインを加えてフライパンのコゲを浮かせ、玉ねぎに旨味を戻します(この手法をデグラッセといいます)
分量外のバターでカボチャ、薄切りにしたエリンギをソテーしておきます。
食材をパイシートに包みます。
ソテーした野菜、秋鮭、ピラフ、茹で卵の順に重ねてパイシートを半分に折って包みます。
ふちをフォークでしっかり押さえて閉じたら溶き卵(分量外)を塗って、190度に余熱したオーブンで20分ほど焼きます。
お皿に盛り付けて完成です。
すっきりとした辛めの味わいの白ワインがよく合います。皆様の秋の食卓に加えていただけると幸いです。
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