皆様、こんにちは!
ジャケ買いワインソムリエの岩本すずかです。
去る11月18日は、フランスの新酒ワイン「ボジョレー・ヌーヴォー」の解禁日でした。毎年のイベントとして飲まれた方も多いかと思います。
今回は、世界の新酒の中でもラベルが素敵で美味しい”ジャケ買い”イタリアワインにスポットライトを当てご紹介いたします。
目次
その前に、世界の新酒・マメ知識
フランス
新酒ワインというと、多くの方が思い浮かべるのは「ボジョレー・ヌーヴォー」ですよね。
これはフランスのブルゴーニュ地方、ボジョレー地区で造られる新酒のことでして、毎年11月第三木曜日が解禁日、品種はガメイ種の赤ワイン。
ヌーヴォー(=新酒)はボジョレー地区で造るワイン全体の約3分の1を占め、そして作ったヌーヴォーの半分は世界に輸出しています。その中でも日本はボジョレー・ヌーヴォーの最大の輸出先です。
ドイツ
ドイツの新酒は「デア・ノイエ」と呼びます。デアは英語でいう冠詞「ザ」、ノイエが「新しい」という意味です。解禁日は11月1日。
オーストリア
オーストリアの新酒は「ホイリゲ」。ホイリゲという言葉は「今年の」という意味です。
「ホイリゲ」というのはまた別の意味もありまして、歴史の中でワイン農家が直接お客さんに自家製のワインを売ったり、食品を売ったりすることが認められるようになりました。以来その農家が開く酒場が日本でいう居酒屋さん、ワイン酒場、近所の人たちとの社交の場のような形に発展していきました。
それが”ホイリゲ文化”として現在まで続いていまして、2019年にはユネスコ世界遺産にも認められています。新酒解禁日は11月11日。
スペイン
同じく11月11日に解禁となるのが、スペインの新酒「ビノ・ヌエボ」です。オーストリアもスペインもこの日に決められているのは宗教的な理由からで、聖マルティン祭の日がこの11月11日だからだそう。
どの国も、新酒の出来上がりをワクワクしながら待ち侘びている様子が目に浮かびます!
さてイタリアは
イタリアでは新酒を、「ノヴェッロ」と呼びます。
解禁日は10月30日(2012年より変更され、2011年までは11月6日でした)。
またワインのうち40%はマセラシオン・カルボニックと言って炭酸ガスを使用した製法のものが含まれていないといけないとか、
ワインを消費する際の度数が11%以上とか、
ワインに残った残糖度はリットルあたり10gを超えないとか、
その他にもワインの格付けとか醸造期間に関するものなど・・・・
今回は少し説明が大掛かりになってしまいますので省略しますが、ワイン大国らしく諸々の細かい規則が決められています。
マルケ州を代表するワイナリー
当店では月に2本、オススメワインをお届けする定期便「ワインクラブ」をリリースしていますが、11月の1本にセレクトしたのはこちらのノヴェッロ。
「ヴェレノージ ノヴェッロ2021」¥2750(税込)
パープルのグラデーションが美しく、まるでワイナリーのマダム・アンジェラさんの華やかさを表現したかのようなお花のラベルデザインです。
このワインを造るのは、マルケ州のワイナリーで1984年設立、「ヴェレノージ」。
マルケ州といえば、ロンドンブーツのふくらはぎのあたり、ぽこっとした部分に位置しています。
イタリアの全州の中で生産量は13位、1.9%ほど。
地元のアスコリ・ピチェーノの土地は、古代ローマ人以前から街が作られていまして、城壁に囲まれた古い都市で観光名所にもなっています。
アドリア海に面していて、アペニン山脈に挟まれている。この地形はブドウ栽培にはとても良い影響を及ぼします。
(ワイナリーHPより引用)
ヴェレノージの畑は、山があることで全てが斜面に位置します。日中は日当たりがよく葡萄を湿気から守り、冷たい海風が吹き抜け、雨が降っても葡萄を乾かします。日夜の寒暖差が激しく、ワインに豊かな香りと酸をもたらします。
(ワイナリーFBページより引用)
こちらがファミリー経営、ヴェレノージ家の皆様です。一番右のアンジェラさんがお母さんであり社長でもあるマダム(とてもオーラのある方だそうです)、一番左のエルコレさんがお父さんで醸造部長、このお二人が起業して始まりました。
当時アンジェラさんは20歳、&25歳の若さ。親の反対を押し切ってした結婚でしたので、親からの援助も無く、昼用働きながら勉強して、ワイン造りをスタートします。
当時は9haと畑は小さくワインを2種類しか作っていなかったのですが、今や200haに増えて、本数も250万本に。
創立から30数年経った今では、家族経営としては州で二番目の規模、マルケ州を代表するワイナリーに成長しました。なんというサクセスストーリーでしょう!
現在48各国へ輸出、ブドウ栽培は認証は取得していなくともオーガニックです。
イタリアの著名なガイド誌の評価「ガンべロッソ」では、賞獲得の常連でもあります。
そしてこの「ノヴェッロ2021」は、地ブドウであるラクリマ・ディ・モッロ・ダルバと、モンテプルチアーノの2種類のブレンドタイプ。
製法は、炭酸ガスを使用しフレッシュな魅力を出すマセラシオン・カルボニック。輝きのあるルビー色で、イチゴやラズベリーの華やかなアロマがとてもチャーミングです。
昨年、2020年産のものは全国コンクールにおいて「ベスト・ノヴェッロ」に選出された実力派です。
一緒に楽しむおつまみは?
新酒ですから複雑みや重厚さはありませんので、赤ワインとはいえ軽やかなものと合います。
シャルキュトリ(ソーセージなどの加工肉)全般はオススメですが、特にマルケ州の名物サラミなら気分が出ますよね。
「チャウスコロ」という名前の生サラミがまさに郷土名物。
サラミは通常数ヶ月熟成させますが、こちらは数週間のみ。半生のパテのように柔らかいのが特徴です。
またマルケ州産のチーズといえば、「カショッタ・ドゥルビーノ」。羊乳を70%以上含んだセミハードタイプです。
高級ワインのようにあれやこれやとお料理メニューを考えるのはさておいて、
好きなハムやチーズ、オリーブなど盛り合わせて、つまみながら気軽に飲めるのがノヴェッロの良いところ!
世界の新酒を飲み比べ
ご紹介した通り、世界のワイン産地で造られる様々な新酒。
季節が日本と逆になる南半球の南アフリカのように、7月にリリースされる新酒もあります。
2021年もそろそろ終わりの時期ですが、「その年の味を楽しむ」というテーマで世界の新酒を飲んでみるのはいかがでしょうか。
※本記事にてご紹介したワインについてのお問い合わせは、メール・お電話・各種SNSにて承ります。
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