皆様、こんにちは!
ジャケ買いワインソムリエの岩本すずかです。
私が経営するワインショップWine and Weekdendがリリースする、毎月2本オススメワインが届く定期便「Wine Club」。
毎月どんなワインをセレクトしようか、オーナーである私の楽しみでもあります。
今回は、1月に選んだ南フランスのワイナリー「ドメーヌ・クードレ」のヴィオニエ種の白ワインをご紹介します。
目次
南フランス・ラングドック地方
フランスといえばワインの二大銘醸地は、”ボルドー地方”と”ブルゴーニュ地方”。これらは世界的に高級なワイン産地として知られています。
その一方で地中海に面した南フランスの地方は、広大な面積でワイン造りをする「カジュアルな産地」として位置づけられています。
しかしながら近年は、醸造技術の進歩や土地の魅力の再発見などもあり、高品質のワインが生み出されるようになってきています。
「ドメーヌ・クードレ」は、南仏ラングドック地方にあります。(ワインの教科書等には、お隣のルーション地方を合わせて”ラングドック・ルーション地方と記されたりします。)
この地では赤ワインが8割近く作られていまして、ロゼが白よりも少し多く1割、残りを主に白ワインとスパークリングワインと、そしてVDNが占めています。(VDNとは「ヴァン・ドゥ・ナチュレル」の頭文字で、天然の甘口ワインのこと)
そしてなんといっても南仏のブドウ栽培で重要なキーワードは「トラモンタン」。これは周囲の山から吹きつける強い風のことで、この風が畑の湿気を吹き飛ばして一帯を乾燥させます。そのため他の地方よりもブドウ樹の病気が少ないと言われています。
フランス革命後に設立の家族経営ワイナリー
「ドメーヌ・クードレ」の近年における立役者がこの方、7代目のピエール・アンドレ・オルナックさんです。
彼のご先祖さまが1840年にラングドック地方ミネルヴォワという地区にワイナリーを設立しました。フランス革命が1790年代後半ですから、その混乱の後少ししてから始められたということですね。
ピエールさんの曽祖父はトゥールーズ市の市長さんで国会議員さんもされました。祖父母はワイン商として活躍されたということで、いわゆる土地の名士のご家族だったそうです。
(お祖母様がワイナリーを切り盛りした時代)
当のピエールさんは最初からワイン業をされていたのではなく、当時の農業のあり方に疑問を感じ少し距離を置いていました。
大学の政治学科を卒業して公証人事務所に勤めたものの、地元の農家さん達と接するにつれ、やはり農業や家業をこれから守りたいという思いが芽生え始めます。そして後に1985年、意を決し家業であるブドウ栽培、ワイン農家を自ら継ぐことに人生を定めます。
まず彼が着手したのは、ワイナリーの大改革です。
最初に協同組合から独立しました。組合に入っていると他の組合員の方が栽培したブドウも自分が大切に育てたブドウも一緒になって醸造されるため、それは避けることに。
専門のコンサルタントから学びながら収穫に最新の機会を導入したり、醸造には温度管理ができる最新のステンレスタンクを導入しコントロールできたりするようにしました。
品質向上に向けて生産量よりも品質を重んじた、あらゆる大々的な見直しを行ったのです。
このような改革で、飛躍的にワインの味わいがグッと上がりました。
オルナック・ファミリー
ピエールさん(中)は2018年には引退し、現在は末の息子さんであるカミーユさん(左)と、彼のいとこギヨームさん(右)が運営されています。
カミーユさんは子供の頃からワイン造りを見てきたので、自然とワインの道に入り、修行のために世界各地(ブルゴーニュ、イタリア、ニュージーランド、チリ、アメリカ、南アフリカetc…)で、さまざまな手法のワイン造りを学び研鑽を重ねました。
「ヴィオニエ」はこんなワイン
『ドメーヌ・クードレ ヴィオニエ2020』
2200円(税込)
こちらが今回お届けした「ヴィオニエ」というブドウ品種の白ワインです。ブドウは減農薬栽培。
ステンレスタンクでの熟成で、ワインのうちほんの少し8%だけ木の新樽で熟成させています。すなわち木樽からくるバニラのような樽の香りがほんのりと立ちます。
ヴィオニエ種の魅力はなんといっても、天真爛漫なアイドルのような華やかさ。しかしながらこちらのワインに関しては、ステンレスタンク熟成由来のスッキリさ、素朴さも感じられ・・・まるでいわば「すっぴん美人のアイドル」のような味わい!
このワインを初めて試飲した際に、あまりの魅力に「一目惚れ」ならぬ「一飲み惚れ」をしてしまったほどです(←惚れっぽいので困ります)。
ラベルデザインの鮮やかな黄色は、このワイン・ヴィオニエの味わいを色で表現したもの。
ちなみに同シリーズの赤ワイン・ピノノワールは、こんな色のラベルです。
『ドメーヌ・クードレ ピノ・ノワール2020』
2200円(税込)
チェリーのようなチャーミングなピンク色!
このピノノワールにも、またしても一飲み惚れしてしまいました(笑)
ラングドック地方の郷土料理は?
ラングドック地方というと耳慣れないかもしれませんが、郷土料理は意外と日本のカジュアルなビストロでもメニューに見られます。
「カスレ」、豚肉と白インゲン豆の煮込み。
「ブランダード」、グラタンのような見た目の干し鱈のペーストです。近隣国のスペインでは似たお料理で「バカラオ」と呼ばれているものがあります。
平日の夜など、「仕事帰りでお料理する気になれない・・・」。そんな時には”必殺・コンビニおつまみマリアージュ”!
近所のセブンイレブンで見つけた、柿の半生ドライフルーツ。このヴィオニエは最っっ高に合いました!
ドンピシャに合うおつまみを発見した時の感動たるや・・・これだからワインはやめられません(笑)
家飲みはコスパ良し!
ところで飲食店では一般的に、小売販売価格の2.5倍ほどの価格でオンリストされると言われています。
この「ドメーヌ・クードレ」は定価2200円(税込)。ということは飲食店では5000円近い値段になるでしょう。
(サービスのお代が入りますから、もちろんのことですね!)
家飲みならばグラス1杯あたりの値段を計算してみると、1本750mlから6杯(125ml/杯と多めに)取るとして、2200円÷6杯=366円。こんなにも美味しいワインが、なんとお得なのでしょう!
ワインは難しそうなイメージがあり、おつまみも合わせて選ぶのに悩んでしまう方も多いと思います。ぜひ気軽に色々トライして、お気に入りワイン&おつまみマリアージュを見つけてみてくださいね。
※解説動画に用いた資料はワイナリーSNSおよびHPの他、輸入元株式会社オルヴォー様より拝借しました。
※文献は日本ソムリエ協会発行ソムリエ教本を参照させて頂きました。
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