日本には現在(2019年1月末)1200の酒蔵があると言われています。
登録はされていても実際は酒造りをしていない酒蔵もあるので、どの資料をみても正確な数が一致しないのです。
1200というと「結構多い」と思われますが、最盛期と比べると数自体は約1/3です。
今回は、
- 「日本酒のあまり知られていないあれこれ」
- 日本酒をさらに美味しく飲むことができる愉しみ方
についてご紹介していきたいと思います。
目次
若者の日本酒離れ
最近では、若者のアルコール離れが話題になっております。
海外からも多種多様なアルコールが輸入されている現代で、現在も1200以上の酒蔵が現存しているということは、日本酒がいかにそれぞれの地域でその土地に根ざして、日本人の日常生活に密着しているかということがわかると思います。
昔は各地方毎に数件の造り酒屋がありました。
それぞれの酒蔵がその土地の米と水で、その土地の人たちが気軽に飲める酒を作り提供していました。
今ほど全国や都市部に出荷せず地元で長―く愛されてきた日本酒です。
しかし、最近は若者中心に日本酒離れ、愛飲者の高齢化に伴い、年々出荷量も減少し、毎年少しづつ酒蔵も減ってきました。 とても残念なことです。
日本酒の味は、その土地土地で決まる!
酒蔵にはそれぞれに昔ながらの独特の文化と、その土地の風土、その土地の食べ物にあった酒造りが根ざしています。
日本酒の原料は米と水です。
土地に根ざした酒というのは、その土地の風土や、米、水が日本酒の味わいや香りに直結するのです。
日本酒は産地ごとの顔を、酒蔵や銘柄によって様々な表情で見せてくれるお酒です。
水は、その土地独自のものであり、絶対に他では手に入らないものです。
正にその土地の風土が日本酒造りに生かされていくのですね。
日本酒はどのくらいの人数で作られているの?
日本酒を造る人数は蔵によって異なりますが、小さく蔵ですと、ご夫婦二人やご家族だけで醸してる蔵も結構あります。
地方の酒蔵だと3〜5人くらいで酒造りをしていることが多いです。
造りの繁忙期になると、忙しくなるため、地域の農家さんやお手伝いの方々が来てくれます。
お手伝いしてくださる方の中には、日本酒造りに絶対不可欠な米を作ってくれている農家さんなどもいます。
- 土地の水
- 土地の米
- 造り手
- その地域に生きている人
- その地域に生きている物
が日本酒という形に変わり、その地域の文化になっているのです。
「そんな少人数で日本酒が造れの?」と思われる方もおられるかもしれません。
地域の小さい蔵は人数が少ない分、全員が精魂込めて酒を造っています。
当然、日本酒造りに手を抜いて良い工程は一切ありませんから、大変な苦労を重ねて多分だけ、想いや愛情を十二分に注がれた「本当に旨い!」日本酒ができあがるのです。
蔵人の日本酒造りにかける想いが、日本酒を愉しむポイント
酒造りの時期は、それこそ早朝から深夜まで、「設計通りの日本酒に仕上げっているのか」を工程によっては秒刻み、分刻みでチェックして常に修正しながら造っていきます。
飲むのが専門な我々からすると、本当に頭の下がる想いです。
その苦労を考えると私は、「日本酒はもう少し高めでも良いのではないか?」と思うくらいです。
そのような酒蔵の想いやこだわりが強い酒蔵の醸す日本酒は、単に舌で感じる味わいだけでなく、酒蔵の酒造りのストーリーを知り、想いを感じた時に、本当の日本酒の旨さを味わえるのだと私は考えています。
弊店で扱わせていただいている日本酒は、すべてそのような
- 蔵元や杜氏(造りの総責任者)
- 蔵人
- 営業の方々
の想いを強く感じることができる酒蔵の日本酒なのです。
その想いは顔(ラベル)に出てきますので、そんな感じで銘柄を見ても面白いですよね。
今宵は、そんな酒蔵の想いを感じながら、出身地や馴染みある地域の「本当に旨い!」日本酒をゆっくりと味わってみませんか、きっと何かを感じるはずです。