いつも有難うございます、麹王子の阪田真臣です。
夏到来、日々暑い中をお過ごしだと思います。脱水症状が心配される日々で意識しておきたい事と、お味噌の成分は切っても切れない関係性があります。
今回の記事は[味噌]についてお話させていただきます。
塩麹ブーム、甘酒ブームの影響で味噌にも改めて興味が向いてきているようです。発酵や乳酸菌といった言葉から、若い世代からも焦点があたるようになってきた味噌。ご紹介の前に、少し味噌について面白いお話を。
古くは戦国時代から、味噌は重宝されておりますが、仙台発祥の[仙台味噌]に興味深い逸話があります。
かの有名な戦国武将である伊達政宗が、文禄2年(1593年)の朝鮮出兵に味噌を持っていき皆に食べさせていたそうなのです。なんて優しい上司なんでしょうか。
さらに、このお話には不思議な点があり、他藩(他県)では夏に味噌を仕込むとカビだらけになってしまっているなか、伊達政宗公が持参した味噌は夏場でも腐敗しなかったそうなのです。
戦国時代にクーラーや扇風機はおろか氷もありません、夏の合戦時の衛生面や暑さは想像を絶しますよね。
そんな熾烈な環境の中で味噌が重宝されたという事からも[味噌]に秘められているエネルギーは計り知れません。
「その味噌には特別なレシピがあったのでは?」とされています。
他の武将からも欲しいと、現代でいう[バズった]そうで[仙台味噌]が有名になった、というお話です。
それでは本題に戻ります。
まずは、味噌の種類を簡単にご紹介させてください。
目次
味噌の素材、いくつ知ってますか?
素材の違いで大きく3種
- 米味噌
- 麦味噌
- 豆味噌
甘み、旨味、塩気などが異なります。皆様が目にすることが多い味噌は[米味噌][合わせ味噌]かと思います。スーパーなどでは[合わせ味噌]をよく目かけます。
合わせ味噌は[米と麦]を半々に混ぜて仕上げた味噌のことを指します。
熟成度で異なる色は4種
味噌の種類 | 熟成期間 |
---|---|
白味噌 | 約5日 |
茶味噌 | 約3ヶ月 |
赤味噌 | 約10ヶ月〜1年 |
黒味噌 | 約2年半〜3年 |
黒味噌はスーパーなどでは販売していない事が多いですが、味噌屋にいけば手に入れる事ができます。好みが分かれますがクセになる風味です。
私も味噌教室を開いておりますが、熟成期間は約3ヶ月の味噌としてレシピ作りをしております。甘みを強くしており、味噌汁用ではなくディップ用として利用できるよう調整しています。(ティラミソと名付けております)
全国でこんなに違う郷土味噌
北海道みそ
赤色系の中辛みそが代表的だそう。白味噌も増えてきているようです。
仙台みそ(宮城県)
逸話のあった伊達政宗公が職人に作らせ、夏でも腐敗しなかった味噌。特殊な蔵で製造した事が要因だったとされています。
江戸甘みそ(東京都)
赤味噌、色は赤褐色。米麹をたっぷり使用しているため、濃厚な甘味と独特の光沢、香りがあるようです。
信州みそ(長野県)
全国の生産量の約40%を占める味噌。やや酸味のある芳香を持ち、全国的に生産されている馴染みのある味噌。
関西白みそ(関西地方)
白味噌で甘めの味噌。長期保存は効かないが短期的に仕上げる事が出来ます。米麹の歩合が多めの味噌です。
瀬戸内麦みそ(愛媛県、山口県、広島県)
米味噌と麦味噌の文化が交わるところで、麦味噌が好まれている。麦麹の歩合が高く、甘味と香ばしさを醸し出す。
薩摩みそ(鹿児島県)
麦みその中でも比較的熟成期間が短い。麦麹の香りと麦粒が残っているのが特徴です。薩摩汁づくりには欠かせない味噌。
九州麦みそ(九州地方)
甘口の麦味噌が主流、甘味を好む九州文化が生んだ味噌。近年は米麹と麦麹の味噌が多くなっている。
全国で様々な味噌が作られていますね。昔は各家庭で味噌は仕込まれていたものですが現代では技術が継がれる事も少なくなってきています。
昔から味噌にまつわることわざは沢山あります。
そのことわざの全てが実に味噌の凄さを物語っています。戦国時代から江戸時代、味噌は大名から大衆に重宝され、歌人などが味噌の効果などをことわざにしたのでしょうか。
そんなことわざの中から一部、素敵なものをご紹介させてください。
先人がことわざに込めた想いとは
生みそは腹の妙薬
良質な味噌は腹の調子を整える薬になる。
みそで呑む一杯、酒に毒はなし
酒も百薬の長だが、みその組み合わせはなおよい。二日酔いや悪酔いもしない。
みその医者殺し
みそは良質な栄養源のため、みそを食べていると病気にならない。
医者に金を払うよりも、みそ屋に払え
病気になり医者に金を払うよりも、普段からみそ汁やみそ料理を食べるためみそ屋に金をつかうべきだ。
味噌こそ日本を代表するスーパーフード
戦国時代で重宝されていたのもうなずけますね、まさにスーパーフードです。
また、味噌は世界から見ても日本にしか存在しない物。麹は世界にはなく存在しているのは日本のみ。国宝の菌として扱われている麹は日本が世界にアピールするべきものなのです。
私の味噌教室で仕込まれた味噌達では不思議な事がたくさん起きています。
まさに味噌の中は宇宙、作る人によって味も見た目も熟成期間も変わります。
昔に大病を患った事がある方の味噌にはカビが直ぐ生えた事がありました、同じ環境下ですし、全く同じ条件で仕込んだ味噌です。
今度は、自分で仕込んだ味噌をトイレやゴミ箱の近くに置いて試した事がありますが、直ぐにカビが生えていました。
それと反対に、元気ハツラツな子が作った味噌は発酵力が強すぎてガスが沢山出ていました、ガス抜きをしますが直ぐに膨れてきます、カビも生えません。
みそが腐ると人が死ぬ
みそが酸っぱくなると、その家に不幸がある。
みそを買う家には蔵は立たない。
こんなことわざもあるぐらいですから、人のエネルギー(氣)と菌はリンクしているのかもしれませんね。
麹王子・阪田真臣からひとこと
今回は、味噌について簡単にご紹介させて頂きました。
次回は詳しく味噌の魅力について紹介していきたいと思います。
自身のアトピーやアレルギー体質の体験から色んな方のお話を聞きますが、1番印象的だったのは、『ほとんどの病は味噌汁と漬物で治る』と提唱していた爺ちゃん先生の言葉。
和歌山の奥地で診療所をされている仙人のような先生がいます。アトピー仙人とも言われていたりとか。
こんなにシンプルな素材しか使用していないのに何故このような神秘的な事が起きるのか。
今後も味噌の宇宙の謎に迫っていきたいと思います。
いつも有難うございます。