こんにちは、管理栄養士・そぼく料理研究家の片桐佑香です!
【受け継ぎたいばあちゃんの知恵】は、“食の多様化が進む中でも、10年後も20年後も、ずっと受け継がれて行けば素敵だな”と感じる「ばあちゃんの知恵」が詰まった日本の伝統的な“美味しいもの”を、漬物作り・味噌作りなど、手仕事が大好きな私がご紹介していく企画です。
もう6月も終わりますが、6月の旬といえば、梅ですね。梅を使った料理には、梅干し、梅酒、梅シロップなどいろいろありますが、私がパッと思いつくものの一つに「梅エキス」があります。聞きなれない方も多いかも知れませんが、私にとっては思い出の味です。
今回は、梅エキスの作り方をご紹介します。
目次
梅エキスとは
梅エキスとは、青梅の果汁を絞って煮詰めたもので、とても酸っぱく、世界一酸っぱい食べ物ともいわれています。栄養価が高く、1kgの梅から30g程しか作ることができない貴重な品です。
江戸時代から、赤痢、チフス、食中毒、吐き下し、下痢、便秘、消化不良などに対する効果があるとされ、薬として用いられてきました。
うちのばあちゃんも、この梅エキスを薬としていつでも冷蔵庫に常備して、家族の誰かがお腹が痛いと言えば決まっていつもこれを舐めさせていたのが懐かしいです。
庭で採れる梅を使って、毎年じいちゃんと一緒に梅エキスを作ってくれていました。私は根っからの酸っぱいもの好きなので、お腹が痛くなくてもこの貴重な梅エキスをねだっていましたが…。
梅エキスの成分・効能
梅エキスにはムメフラールという栄養素が多く含まれます。梅や梅干には含まれず、梅の果汁を煮詰めてつくる梅肉エキスにだけ含まれる成分です。血流改善に効果が期待できます。
また、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、カテキン酸、ピルビン酸などの有機酸が豊富で、殺菌、胃の保護、疲労回復に効果があるといわれています。
その他、リン、鉄、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも含まれます。
梅エキスの作り方
作る際のポイントとして、出来るだけ硬い青梅を使用してください。そうすることで艶のあるキレイな黒いエキスに仕上がります。
私は硬い青梅がどうしても手に入らず、少しだけ柔らかくなった青梅を使用しましたが、それでも大丈夫です。その場合は黄色っぽい色に仕上がります。
また、鍋はセラミック製・ホーロー製・ガラス製・陶製を使うことをおすすめします。
酸で腐食しやすいので、金属製の道具の使用はできるだけ避けましょう。
材料
材料 | 分量 |
---|---|
梅 | 1kg |
作り方
1.ボールの上にザル、さらし布をセットする。梅をおろし金ですりおろす。(酸で皮膚が荒れてしまうので、手袋をしてください。)
2.さらし布を巾着状にして果汁を絞る。
3.2を鍋に入れて火にかけ、混ぜながら弱火で1時間程煮詰める。
4.はちみつくらいの粘度になればOK。瓶に入れて保存する。(冷蔵庫で半年以上保存可能)
梅エキスの使い方
お腹が痛い時、疲労が溜まっているとき、ティースプーンでひとすくいして舐めてみて下さい。
いかがでしたか?これを舐めれば、強烈な酸味で、季節の変わり目の体の疲れも吹き飛ぶはずです!
もう梅の季節も終わりになりますが、もし梅がたくさん余っている方はよろしければお試しください。
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