こんにちは、管理栄養士・そぼく料理研究家の片桐佑香です!
【受け継ぎたいばあちゃんの知恵】は、“食の多様化が進む中でも、10年後も20年後も、ずっと受け継がれて行けば素敵だな”と感じる「ばあちゃんの知恵」が詰まった日本の伝統的な“美味しいもの”を、漬物作り・味噌作りなど、手仕事が大好きな私がご紹介していく企画です。
秋の味覚といえば、さつまいも、きのこ、サンマ・・・、などいろいろありますが、私は小学校の頃初めて食べた「栗の渋皮煮」の美味しさが忘れられません。
弟がよく遊びに行っていた友達のお家の、おばあちゃんが作ってくれたものです。
少し自宅から離れたところにあったので、毎回母と一緒にお迎えに行っていました。そしていつもおばあちゃんが見送ってくれて、「〇〇作ったから持って行きな。」と、いろいろな手作りのおやつをおすそ分けしてくれました。
どれも本当に上手に作るおばあちゃんで、その1つが「栗の渋皮煮」でした。
お家に帰って、姉弟で興味津々に瓶の蓋を開けると、ふんわりと甘い香りが広がり、栗はつやつやと光って宝石のよう。食べればなめらかで甘―い!栗の渋皮煮のトリコになりました。
大人になってからは、毎年自分で作っていて、どの作り方が一番美味しいのか、いろいろなパターンで試しています。
今回はちょっと変わり種の、黒糖とコーヒーを効かせたちょっと大人な「黒糖モカの栗渋皮煮」の作り方をご紹介したいと思います。
目次
栗について
栗の旬は9月から10月。
ホクホクとした食感と、上品な甘さが美味しいですよね。
実は、栗は栄養豊富。糖質や食物繊維、ビタミンCが多く含まれます。
また、渋皮には、ポリフェノールの一種であるタンニンが多く含まれ、抗酸化作用があります。「渋皮煮」は、栗の栄養をまるごと味わえる食べ方です!
黒糖モカの栗渋皮煮のレシピ
黒糖ときび砂糖、ミネラルたっぷりのお砂糖で煮た、上品な甘さで、コク深い渋皮煮です。最後に香り付けで加えるコーヒーがクセになる大人な味です。
<材料>作りやすい分量
材料 | 分量 |
---|---|
栗 | 500g |
重曹 | 大さじ1 |
きび砂糖 | 200g |
黒糖 | 100g |
インスタントコーヒー | 小さじ1 |
作り方
1.栗は洗ってボウルに入れ、水に浸けて一晩おく。
2.栗のおしりの部分に包丁で切れ込みを入れ、鬼皮をむく。(渋皮を傷付けないように注意。)
3.鍋に1ℓのお湯を沸かし、重曹、2.を入れて、ふつふつと沸くくらいの火加減で10分茹でる。他の鍋に同量くらいのお湯を沸かしておく。
4.3の栗をざるにあけて水気を切ったら、沸かしておいたきれいなお湯に入れて10分茹でる。これを4回行う。
5.4をざるにあけて、栗が冷めるまでおく。冷めたら、竹串で栗の表面をやさしくこするようにして、ざらざらとした皮や筋を取り除く。表面がつるつるとキレイになればOK。
6.鍋に栗とひたひたの水を入れて、中火にかける。煮立ったら弱火にし、きび砂糖、黒糖をそれぞれ半量入れて軽く混ぜ、落し蓋をして30分煮る。
7.20分後、一度落し蓋を取って残りのきび砂糖、黒糖を入れて軽く混ぜ、再び落し蓋をして弱火のまま30分煮る。
8.火を止めて、1度栗を取り出す。煮汁が入った鍋を中火にかけて、煮立ったらアクを取る。火を止めて、インスタントコーヒーを加えて混ぜ、栗を戻し入れて落し蓋をし、冷めるまで置く。冷めたら保存容器に移して、冷蔵庫で一晩おく。
(日持ち:冷蔵庫で1週間くらい、冷凍すれば1か月くらい)
最後に一晩おくことで、栗にしっかりと味がしみこんで美味しくなります。
栗や黒糖、きび砂糖は、甘いものの中では比較的、血糖値の上昇が緩やかな食材。ダイエット中のご褒美にもおすすめのおやつです。
手間はかかりますが、美味しいこと間違いなし!お店では買えない美味しさを、ぜひ作って味わってみてくださいね。
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