1年がたつのはほんとうに早いですね。
コロナ渦2年目となった2021年の日本茶を振り返ってみたいと思います。
目次
パッケージが足りなくなる?
パッケージの製造に欠かせない酢酸エチルは中国からの輸入に頼っているのですが、供給が減ったために、パッケージが作れないという事態に。これにはお茶業界だけでなくお菓子だったりあらゆる業種で悲鳴がおきました。
中国が環境規制を強め、電力制限や工場の稼働制限を行った結果減産し、日本のお茶屋さんでパッケージ不足が起きるなんて、グローバル化を実感しますね~。
なんて言ってる場合じゃないですね。
幸いわたしの周りではまだパッケージがなくてお茶が売れないという話は聞いていませんが、深刻です。
お茶のパッケージといえばの吉村さんでは酢酸エチルに変わる素材でのパッケージ開発に成功し、順次切り替えをしていくとこの11月に発表されていました。
ご努力すばらしいです!しかし同様のことはまた起きるのでしょうね。
2020年の振り返りではパッケージのSDGs対応について書かせていただきましたが、さらに進めた議論が必要と思いました。
直販拡大の分かれ目?
昨年の振り返りで生産者さんが自社ECサイトを立ち上げる「直販拡大」の動きについて書かせていただきました。経産省の「農林水産物のインターネット販売送料を負担」する補助金を利用したところも多かったのではないでしょうか。
お茶の直販の最大のネックは実際のところ送料なのでありがたい制度ではあります。
送料無料期間が終わったら購入がぴたっと止まった、いつもより売上げが下がった、という話をちらほら聞きましたが、これはもう分かっていたことですね。
元々ついていたお客さんも送料無料を利用して購入するでしょうし、再び送料無料になるのを期待して待ってしまいますし。
そこまで考えたうえでこの制度を活用した或いは考えた結果利用しなかったか、なにも考えずにただのっかったのか、これは分かれ目だったのではないでしょうか。
これをきっかけに新規の人をとりこみ、リピートしてくれるファンに育てられたというお話も聞いています。制度も活用の仕方次第、ですね。
ようやく販売が動き始めた?
昨年はホテルや飲食店に販売予定だったお茶が在庫になってしまったのでどちらか販売先がないか、といったようなご相談をいただくことがありましたが、今年に関してはあらかじめ二番茶を作らなかった、一番茶の生産量を減らした、というような対応をされたところもあったようです。お茶を作るのをやめたというところも残念ながら少なくはありません。
ようやくこの12月くらいから販売が動き始めたのを感じます。
飲食店やホテルが稼働するようになり、お茶も動き始めました。
イベントや催事はまだ様子見で動きがにぶいですが、オミクロンの重症化率が低ければ、久しぶりに新茶のイベントなども楽しめるのではないでしょうか。
もう逆戻りはしたくないものですよね。そのためにもマスクして、お茶飲んで、対策いたしましょう。
オーガニック碾茶しか勝たん?
「●●しか勝たん」というのは「●●が大好き」のような意味で昨今使われていますが、この場合は本来の意味で「オーガニック碾茶しか勝たないのか?」です。笑
日本茶の消費量は2015年から微増していたのですが、残念なことに2019年からはまた減っています。どうしたら日本茶を売ることができるのか、購入してもらえるのか、茶業者の皆さんは日夜一生懸命考えているわけですが、そんな中にあって引く手あまたなのがオーガニックの碾茶!
コロナ禍で輸出が止まった時もありましたが、復活して輸出量は増加しています。世界ではまだ需要が伸びているのです。
日本でもみどりの食料システムで2050年までに有機農業の農地を全体の25%に増やす目標を掲げていますし、日本茶においても碾茶以外の茶種でもオーガニックへの流れがあるとわたしは見ています。
2022年はどんな年になるでしょう。まずはコロナが収束して明るい一年になることを願ってやみません。
年末年始もENJOY!日本茶!!!
《参考》
(株)吉村HP「【続報】酢酸エチルの状況と今後の対応について」
https://www.yoshimura-pack.co.jp/news/20211104info/
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