みなさまこんにちは。
お米には「お父さん」と「お母さん」がいます。
通常、私たちがいただくお米は、同じ品種のお父さん(おしべ)とお母さん(めしべ)から生まれたお米です。
天候や日本人の嗜好の変化など、必要な品種は日々変わっているのです。
それらの事情から、適切な「お父さん」と「お母さん」をめぐり合わせる・・・
そんな婚活が日本のあちこちで行われているのでございます。
最近、めっきり聞かなくなった「箱入り娘」ということば。
ひとことで言うと、大切に育てられたお嬢様。
そんなことばがぴったりの「つや姫」。
お母さんに「山形70号」、お父さんに「東北164号」と、いかにも厳格そうな両親のもとに2008年に山形県立農業試験場庄内支場で誕生しました。
庄内といえば、「コシヒカリ」の祖でもある「亀の尾」の故郷でもあります。
その血をひく「つや姫」は生粋のお嬢様なのでございます。
名前の通りの、炊きあがったときのそのつや、粒揃いのよさ、上品な白さ。
まさにお嬢様そのもの。
「つや姫」の生まれる前、山形の地では「ササニシキ」が多く作られておりました。
しかし「コシヒカリ」の登場により、「ササニシキ」のようなあっさりしたお米の出番が少なくなってしまいました。
そこで1998年、「コシヒカリ」に負けない新たなお米の開発が始まったのでした。
開発から約10年、大切に育てた「つや姫」を簡単に嫁に出すわけにはいかない・・・!
そんな父親の叫びを代弁するかのごとく、「つや姫」は栽培適地を見定め、認定された生産者しか作れないといった、まさに箱入り娘なお米なのです。
箱入り娘が憧れだった昭和の時代は遠く、現代の人間の世界で箱入り娘はやや扱いにくい存在ともとられがちです。
しかし「つや姫」は、ちゃんと嫁にいき現在では子孫のためのお母さん、お父さんも務める立派なお米となっているのでございます。
こうしている今でも、日本の未来のために日本のどこかでお米の婚活が行われているのでございます。
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