四季があり、旬があり、世界が誇る食材の宝庫、日本。
それは遥か昔、縄文時代の頃から変わっていません。
16,000年という「ひとつなぎの歴史」の中で培われた、調理の技術、知識、そして価値観。
それを後世に伝えるために定期開催しているイベントが、「日本の歴史16,000年を食べる会」です。
今回は「日本の歴史16,000年を食べる会」で再現された料理を時代別にご紹介します。
目次
「日本の歴史16,000年を食べる会」とは?
「日本の歴史16,000年を食べる会」のコンセプトは、「当時手に入る材料だけで、なるべく当時の調理法で美味しく再現すること」です。
時代は、縄文〜江戸までの約16,000年という幅広い期間が対象です。
歴史芸人®︎さんの解説を聴き、当時に想いを馳せながら食事を楽しみます。
その時代にある食材だけで、時代背景に合わせていかに美味しく再現するかを意識して、毎回15~16品のお料理をご提供させていただいています。
日本の食に興味や誇りを持つきっかけとして、「体験型の食育」を広めたいと考えています。
縄文時代から江戸時代までのメニューを再現
ここからは、前回の「日本の歴史16,000年を食べる会」で作られた料理を時代別にご紹介します。
縄文時代の料理
『どんぐりと胡桃で作る縄文クッキー、ナツメとノブドウと共に』
イベントで一番人気のメニューは、上記写真のどんぐりと胡桃で作る縄文クッキーです。
縄文時代に「砂糖」は存在していないため、どんぐりと胡桃だけでクッキーを作ります。
どんぐり粉のほのかな甘さを少量の「塩」で引き立てます。
縄文時代には、海・土器・火があったので、塩は存在しました。
弥生時代の料理
『鶏ときのこと薇の炊き込みご飯。紫蘇の実の塩漬け乗せ』
弥生時代には稲作が入ってきたので、お米が食べられるようになります。
鶏、きのこ、薇(ゼンマイ)などの食材も豊富なので、炊き込みご飯も作れます。
今回は、塩漬けの紫蘇の実を乗せていただきました。
飛鳥時代の料理
下の写真は、日本最古の乳製品『蘇』です。
『 日本最古の乳製品・蘇』
こちらの料理は、一度食べたらきっと一生忘れない記憶となるでしょうね。
平安時代の料理
『たこ刺し。酢と塩だけのトッピング』
平安時代に入ると、清貧な生活を良しとする教育から、逆に質素な料理が広まります。
ただ焼いた魚をそのまま食べるだけ、というような料理が貴族の間では一般的でした。
また、平安時代における油は貴重であったため、中国から輸入された揚げ菓子が食べられていました。
『唐菓子』
上の写真は、唐菓子と呼ばれる歯ごたえのある揚げ菓子です。
鎌倉時代の料理
『鎌倉時代、豆腐の味噌漬けと羊羹』
鎌倉時代に味噌が広まったことから、味噌を用いた「豆腐の味噌漬け」がレシピとして再現できます。
味噌の副産物としてできた「醤油」は、その後の室町時代以降に作られました。
しかし、室町時代の醤油の価値は、未だ高価なものであったため、庶民はまだ使うことができません。
このように、時代背景から調味料や調理法の成り立ちにも同時に学ぶことができるイベントとなっています。
室町時代の料理
『煮物・昆布と椎茸出汁の塩味』
室町時代には、出汁(ダシ)が作られます。
醤油とかつお節は高価な食材であったため、昆布と椎茸出汁の塩味で味付けを行います。
戦国時代の料理
『戦国時代のカロリーメイト、兵糧丸』
戦国時代の料理は、忍者や武士の携行食と言われていた『兵糧丸』。
忍者の巻物にあったレシピからヒントを受け、より美味しく配合を変えて蒸しています。
参加者の感想
参加いただいたお客様から一番多くいただくお声が「シンプルな味付けなのに美味しかった!」という感想です。
現代の食生活には、うま味や塩分・油脂を付け足し、調味料で味を楽しむものが蔓延しています。
余計な味を足さずに、素材の味を引き出すだけの昔の料理にこそ、食材への喜びと感謝が生まれるのだと思います。
また、歴史を学んでいる小〜中学生の子供達が参加されると、様々な疑問や質問を頂きます。
『この時代は〇〇が統治していたよね!』
『〇〇の乱が起きた時にもこれ食べてたのかな⁉︎』
などの歴史への理解度が深まります。
さらに味覚として時代が記憶されるため、五感で学ぶ食育としてもおすすめです。
「日本の歴史16,000年を食べる会」の詳細
日本の歴史16,000年を食べる会は、約2ヶ月に1度、池袋付近の会場にて開催しています。定員は20名限定です!
毎回満員での開催となりますので、気になる方はぜひお早目に下記の弊社ホームページから詳細をご確認ください。
株式会社 八紘
https://www.hakkou-kitchen.com
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