【週末のパルタージュvol7】牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュのレシピ

【週末のパルタージュvol7】牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュのレシピ

こんにちは!お料理クラブパルタージュの竹本です。

毎日の食卓に取り入れることができる「フランスの家庭料理」をご紹介しています。


クリスマス、お正月と楽しみなイベントが続きますが、フランスではクリスマスイブ直前に仕事納めをした後、1月1日まで職場はお休みになるのが一般的です。

 

遠くに離れている家族も集まり、食卓を囲んでご馳走を食べ、のんびりと過ごすのがフランス流のホリデーシーズンの過ごし方です。

 

フランス冬の風景

 

フランスには、お祝いの食卓ならではの食材があります。

 

一年で一番美味しいものを食べて、親しい人たちと楽しんで過ごす時間にふさわしく、シャンパン、フォアグラ、海老、サーモン、チキンや七面鳥の丸焼き、チョコレートは欠かせません。
そして忘れてはならないのが、「牡蠣」です。

 

今回は、殻付きの牡蠣とシャンパンを贅沢に使った「牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュ」のレシピをご紹介します。ホタテの貝柱や牡蠣に相性の良いサバイヨンソースの作り方も載せています。
ぜひお試しくださいね!

 

 

 

牡蠣は冬のごちそう!牡蠣にまつわる日本とフランスの深い繋がり

生牡蠣が贅沢にお皿に並べられている様子

 

フランス人にとって牡蠣は、冬のご馳走の代表格。

 

私の住んでいたフランス南東部のリヨンは内陸のため、海産物はとくに贅沢なイメージがありました。

 

だからこそ年末に魚屋さんで売り出される、生牡蠣がたくさん乗ったプラトー・ド・フリュイ・ド・メール(海産物の盛り合わせ)は、この時期ならではの贅沢でした。

 

豆知識ですが「フランスの牡蠣」と「日本の牡蠣」は、同じ種類ということをご存知でしょうか?

 

フランスで食べられている牡蠣は、主に日本と同じ「マガキ」です。

 

それもそのはずで、フランスの牡蠣は、日本からやってきたマガキを養殖したものがほとんどなのです。

 

フランスは1800年代後半と1900年代に牡蠣が死滅して、生産が続けられなくなる危機を経験しています。この危機を救ったのが、1900年代に日本からフランスに送られた牡蠣でした。

 

このことから、日本とフランスの牡蠣生産者の間には特別な繋がりがあります。

 

東日本大震災で三陸の牡蠣養殖が壊滅的な被害を受けたときには、養殖に必要な網や牡蠣の幼生(赤ちゃん)がフランスの生産者から送られました。

 

 

 

牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュとは?

牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュの完成品の様子

 

今回は殻付きの牡蠣と、贅沢にシャンパンを使った「牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュ」をご紹介します。

 

サバイヨンソース(sauce sabayon)とは、カスタードクリームよりもさらりとした、卵とバターをベースにしたソースです。

 

もともとはお菓子に使われていたソースなので、卵風味のお菓子用ソースとしてご存知の方が多いかもしれません。

 

砂糖を入れずに塩味で作ると、ホタテの貝柱や牡蠣に相性抜群のソースになります。

 

私がリヨンで暮らしていた頃、このお料理を教えてくれた奥様が「簡単だから作ってみなさい」と教えてくれた一品です。

 

 

 

牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュの材料

牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュが並べられている様子

 

材料 分量
牡蠣(殻付き・生食できるごく新鮮なもの) 人数分
無塩バター 100g
卵黄 2個
シャンパン(またはスパークリングワイン) 100ml
生クリーム 適量
パプリカパウダー 適量
適量

 

 

 

牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュの作り方

①牡蠣の殻を開けます。

 

※頭の方から開けようとすると殻が割れて破片が身の中に混じるので、お尻の方の隙間からナイフ等をねじ入れます。貝の身と蓋は貝柱で繋がっているので、貝の蓋の表面を削ぐイメージでナイフを動かすと、綺麗に身を剥がすことができます。

 

牡蠣の殻を剥がす様子

 

 

②牡蠣の身を貝から外し、ボールに重ねたざるに空けて、牡蠣のエキスを取っておきます。牡蠣の殻は綺麗に水で洗い、乾かしておきます。

 

牡蠣の中身をざる移す様子

 

 

③鍋に牡蠣のエキスを温め、ごく弱火で牡蠣の表面をそれぞれ30秒程度ずつ加熱します。先ほどと同じように、牡蠣のエキスと牡蠣の身をザルとボールで分けておきます。

 

④バターを電子レンジで溶かし、しばらく置いておきます。

※最初は白濁していた溶かしバターがだんだんレモン色になり、下の方に白いもの(タンパク質)が沈殿していきます。

 

この上澄みのオイルを「澄ましバター(beurre clarifié:ブール・クラリフィエ)」と言い、繊細な風味を大切にしたいソースなどに使用します。上澄みだけを別の器に取っておきましょう。

 

温めたバターが2層に分離している様子

 

 

⑤鍋に卵黄、シャンパン、牡蠣のエキスを合わせ、弱火で加熱しながら勢い良く混ぜ合わせます。

 

熱した鍋の中で材料がかき混ぜられている様子

 

 

※シャンパンから泡が立ち、ブワーッと全体が膨らみますが、気にせず混ぜ合わせていくと徐々に固くなります。

 

鍋の材料がわずかに泡立っている様子

 

 

⑥ソースに泡立て器の線が残るようになったタイミングで、澄ましバターを一気に流し入れ、さらにかき混ぜます。

 

⑦パプリカパウダーを適量加え、ソースにわずかに赤味を足します。美味しそうな色を作るための工夫です。塩で味を整え、ソースは完成です。

 

混ざりあった鍋の材料にパプリカパウダーを入れた様子

 

 

⑧焼き方はいくつかありますが、今回はオーブンを使います。オーブンは220〜250℃に余熱しておきます。

 

オーブン用のトレイに牡蠣が並べられている様子

 

 

⑨天板に牡蠣の殻を並べ、身を戻し、上からソースを注ぎます。

 

※牡蠣の殻の安定が悪い場合が多いので、貝の下に塩を盛り、その上に乗せると安定が良くなります。牡蠣の身の下に生クリームを少しだけ敷いておくと、焼き上がった時に牡蠣のエキスとソースと一緒に絡み、とても美味しいのでオススメです!

 

天板に並べた牡蠣にサバイヨンソースを乗せた様子

 

 

⑩牡蠣の殻いっぱいにサバイヨンソースを注ぎ、表面に火が通るまで加熱します。

 

※あまり長い時間加熱するとソースの水分が蒸発してしまうので、高温で表面だけ焦げ目を付けるイメージです。加熱時間は15分程度に設定しておいて、表面が乾いてフツフツとしてきたら取り出しましょう。

 

もし調理用のバーナーをお持ちでしたら、オーブンで全体を加熱した後に表面に焦げ目を付けると、とても綺麗に仕上がります。

 

牡蠣のサバイヨン・オ・シャンパーニュが完成した様子

 

お好みでピンクペッパーやディルなどの香辛料を散らして完成です。

 

 

 

調理のワンポイントアドバイス

竹本ともこさん

 

調理に使用したシャンパンやスパークリングワインは、ぜひお料理と一緒にお楽しみくださいね。

 

シャンパンの代わりに、もちろんスパークリングワインや白ワインでも構いません。その際は、辛口のものを選ぶと出来上がりの味わいが良い印象になりますよ。

 

シャンパンやスパークリングワインはブラン・ド・ブラン(白ブドウの品種から造られたワイン)を選ぶと優雅な酸味が出るのでオススメです。

 

サバイヨンソースは、ホタテの貝柱や白身魚との相性も抜群です。お料理に使って余ったら、ぜひ魚介類のソースにもご活用ください。

 

それでは、皆さまも素敵な年末を!

 

 

 

 

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