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ブドウ栽培挑戦の場所
ワイン用ブドウ栽培の挑戦場所は、長野県長野市の北部「浅川」という地区にある。
長野駅から北へ約10km、飯綱高原の入口にあたる中山間地域で、小さな集落が点在している。
自然豊か、春の美しい野花、多くの山菜、秋の紅葉、冬にはスキー、温泉と一年通して魅力ある場所である。
そんな浅川のとある森の中に存在する約3haの土地。
標高630m、南向き、若干の傾斜で日当りは良く、優しい風が通り抜ける。木々に囲まれ、山の中に静かに佇み、鳥達の歌声だけが聞こえてくる場所。
浅川ダムの建設によってできた土地
ここは、もともと小さな谷で、いくつかの農家が斜面に段々畑で米や野菜を作っていた。
そこが、2017年に竣工された「浅川ダム」の建設によってでた大量の土砂の埋め立て地として選ばれ、本格着工から7年、約3haという広い一枚の土地として生まれ変わった。
ダム建設前までは、ひっそりと地下約50m下で眠っていた土。
約20万年前に噴火した飯縄山。この地域の地層は、その噴火した飯縄山の火山灰が主体で、土地周辺の地層は、「凝灰岩」と呼ばれる白く固い岩だ。
約20万年の時を経ていま地上に蘇ったということになる。
約20万年の時を経て地上に蘇った土は…
「約20万年の時を経て地上に蘇った土」というとドラマチックに聞こえるが、現実は決してそう簡単ではない。
地下50m。この深さに、農業の手助けをしてくれるような微生物は存在せず、有機物の乏しい極めて地力の低い土壌。
さらにこの固い岩をブドウの根が砕き、進んで行く事は難しく、雨が降り水を吸収すると粘土となり水はけが悪い。
【ゼロからのスタート】土作りから始まる
全てがゼロからのスタート。
農業の世界ではよく「全ては土作りから始まる」と言われるが、ここはまさにそこからのスタートである。
どれくらい時間がかかるか分からないが、この土地の「土」(土壌)と向き合い、自然(環境)の中で、出来るだけのことをしていく。
未知の挑戦が始まった。
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