冬から進めてきた定植準備だが、土壌改良工事も無事に終わり、4月中旬いよいよ定植作業が始まる。
ブドウ苗木の定植は、今後の生育や作業に影響する重要な事項なので、しっかりと作業計画を立てなければならない。
土壌改良工事の終了予定日に準備日数を足し、なるべく苗木移植に負担のかからないよう、発芽と根の活動開始前に定植日を決め、作業スタッフの確保も含め、いつまでに何をし、何人必要か、逆算のスケジューリングをする必要がある。
目次
畝の設計(方角、間隔)
畝の方角は、最大限日照を得られるよう南北にし、畝間(畝と畝の間隔)は、軽トラックによる作業を考え、2.5mとした。中心線を決め、そこから直角を出しながら園の設計をしていく。
耕運と畝つくり
計測設計が終わり次第、ブドウを植える畝を一度耕耘し、土をほぐす。一般的に、このタイミングで肥料や土壌改良資材を投入するが(定植時の投入が最も効率的かつ効果的)、今回は行わない事にした。昨年の肥料分が残っていると予想し、不足分は生育を見ながら足す予定だ。
株間75cmの印つけ
垣根仕立てでは、列(畝)に沿って真っすぐ苗木を植えて行く事が極めて大切である。逆に列に沿ってジグザグに植えてしまうと、草刈りや農薬散布(防除)をはじめとした作業時に能率が低下してしまう。
水糸や、割り箸を使って定植位置の目印とすることが多いが、今回は作業効率を優先し、石灰で印付けをした。メジャーを使い、75cm間隔で石灰を落としていく。
定植用の穴堀り
幅深さ 30-40cmの穴を、石灰で印付けしたところに掘って行く。
人で掘る場合と、重機で掘る場合があるが、ここでは人力で穴を掘る。正確な位置に正確な深さ大きさの穴を掘る必要がある為、事前の段取りと指示が重要になってくる。
仮植畑から掘り起こしてきた定植苗
作業班を仮植畑と定植現場の2班に分けた。
仮植畑の斑が、苗の掘り出し、根の切除、運搬を行い、届いた苗を現場班が定植するという流れだ。苗木にダメージが無いよう、運搬時に乾燥や低温にさらされないよう注意する。
定植作業
品種数が非常に多いため(試験栽培品種も含めると30種類以上)、間違いがないよう1品種ごとに運搬し、1列づづ慎重に定植作業を行った。
植え穴の底の深さを適切に調節しながら高さを決め、畝に沿って真っすぐ、なるべく苗木の根を四方へ広げるように浅く植える。根にはなるべく隙間ができないように細かい土をかけ、苗木基部も土全体が盛り上がるようにしておく。
約7000本の定植完了
2週間を予定していた定植作業だが、雨天休止などの影響もあり、約1か月を要した。
準備からとてつもない作業だったが、無事に定植が完了し、いよいよ本格的にブドウ栽培が始まる。
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