9月に入り徐々に、長野県内でブドウの収穫が始まっている頃、こちら圃場のブドウ樹達は、少しづつ冬支度を開始していた。
目次
新梢の木質化
ブドウのような落葉果樹は、早春に新根を発生し、土中の養水分を吸収して萌芽、展葉、新梢伸長、開花、結実、果実肥大、成熟、落葉、休眠の経過をたどる。
その過程に中で、樹体内養分とくに炭水化物の消長や新梢の伸長および木質化と登熟などを行いながら、貯蔵養分の蓄積を開始している。
8月に入り、この頃から新梢は基部から徐々に黄褐色に木質化し始め、新梢内には炭水化物(とくに澱粉)の蓄積量が増加し始める。
ブドウにとって重要なのは、冬の寒さに対する抵抗性の付与であり、新梢の繊維と繊維の間に膨大な量のリグニンを蓄積しセルロース(繊維)を固く密着させ、強固な骨格を形成し「登熟」させることによって、植物を乾燥や、凍・寒害から守る必要がある。
ブドウ葉の黄変と落葉
ブドウの葉は、春に萌芽展葉し、新梢の伸長と共に面積を拡大しながら成葉になり、光合成活動に参加して炭水化物を合成し、秋冷を迎えて黄変、落葉する。
一般的に落葉期は早生品種には早く訪れ、晩生品種では遅いと言われており、早生品種は9月下旬から10月上旬、葉の緑色が次第に退化し始め、それぞれ品種特有の紅葉が始まる。早ければ10月上旬に新梢から離脱し始める。
落葉の早い品種は、すでにほとんどの葉が落ち切っている。
圃場の紅葉
10月になり、徐々に木々の葉は色づき初め、美しい紅葉の季節が始まる。
この頃、ブドウの葉は落葉が進み、雑草も少しづつ枯れ始め圃場の景色が変わって行く。
季節の移り変わり
9月、10月、11月の写真。
11月になり、紅葉も落ち着き始め、冬の気配を感じ始める。
今年のブドウ樹への作業はほぼ終わり、12月の積雪前までに若干の土壌改良、施肥を行い、来年に剪定を行う予定だ。
ブドウは休眠に入ったが、こちらはまだまだやらなければいけない作業が盛りだくさん。
休む暇はない!