【管理栄養士・片桐佑香の受け継ぎたいばあちゃんの知恵 vol.24】しまうりのてっぽう漬け

【管理栄養士・片桐佑香の受け継ぎたいばあちゃんの知恵 vol.24】しまうりのてっぽう漬け

こんにちは、管理栄養士・そぼく料理研究家の片桐佑香です!

 

【受け継ぎたいばあちゃんの知恵】は、“食の多様化が進む中でも、10年後も20年後も、ずっと受け継がれて行けば素敵だな”と感じる「ばあちゃんの知恵」が詰まった日本の伝統的な“美味しいもの”を、漬物作り・味噌作りなど、手仕事が大好きな私がご紹介していく企画です。

 

実家から、新米が届きました。今年ももう新米の時期か~!とおどろきつつ、まだ少し夏を感じるこんな野菜も段ボールに詰めてくれていました。

 

「しまうり」

 

長野県の南信地方ではよく作られている野菜で、このくらいの季節に、ばあちゃんが毎年漬けてくれていました。味噌漬け、粕漬け、てっぽう漬け、など。

 

「てっぽう漬け」って、知ってますか?

 

味噌漬けや粕漬けはスーパーや漬物屋さんなどで見たことがある方が多いと思いますが、てっぽう漬けは珍しいのではないかなぁと思います。

 

ちょっと面白い漬物なので、ぜひご紹介したいと思い、今回は「てっぽう漬け」のレシピです。

 

 

てっぽう漬けとは?

てっぽう漬けとは、しまうりのワタをくり抜いたところにいろいろな野菜を詰めて、味噌や酒粕などで漬けた漬物です。

 

穴をあけたしまうりを鉄砲、中に詰められた野菜を火薬に見立て、「てっぽう漬け」と呼ばれています。

 

長野県の南信地方では定番の漬物で、ご飯のお供はもちろん、お茶請けとしても大活躍です。おもてなし文化が強い土地柄なのもあり、ふつうの漬物よりちょっと手が込んでいてハイカラな「てっぽう漬け」は、お客さんへのおもてなしに持って来いだったのかも知れません。

「しまうり」は、あまりスーパーなどでは売っていないですよね。初めて耳にする方もいる知れません。

 

 

しまうりはとは、縞模様をした、1個500gほどあるウリです。

南信地方の野菜直売所では、夏~この季節にはたくさん並んでいると思います。

生でも食べることが出来ますが、しっかりとした歯ごたえがあるため、奈良漬けや粕漬けなどの漬物にして食べられることが多いです。

 

 

てっぽう漬けのレシピ

しまうりのてっぽう漬けのレシピをご紹介します。

ばあちゃんが作るてっぽう漬けには、しその実や青唐辛子などが入ってましたが、今回はスーパーでも手に入りやすい具材にしました。

 

<材料>しまうり1個分

 

 

材料 分量
しまうり 1個
ピーマン 1個
にんじん 1/3本
みょうが 2本
青じそ 10枚
少々
適量
味噌 100g
酒粕 50g
みりん 50g

 

作り方

1.しまうりはヘタを切り落とし、スプーンで種とワタをくり抜く。ピーマンは縦半分に切って種を取り、細切りにする。にんじんは千切りに、ミョウガは小口切りにする。

 

2.1の各野菜を別々のビニール袋に入れ、各野菜の5%の塩を加え、全体にまぶす。ビニール袋の口を結んで、冷蔵庫で2日下漬けする。

 

3.青じそを全て重ねて巻き、棒状にし、しまうりの中に入れる。2の野菜は軽く水気を絞り、しまうりの中にきっちりと隙間なく詰め込む。

 

4.ジッパー付き袋にAを入れてよく混ぜる。3を入れ、味噌を全体にまぶし、袋の空気を抜きながら封をする。冷蔵庫に入れて漬ける。

 

 

3日後くらいから食べられます。3日くらいだと浅漬けのようなあっさりとした味。1か月くらい漬けると、味噌の味がしっかりとやさいに入り、まろやかな味わいになります。

 

食べ進めるごとにいろんな野菜が出てきて、風味の変化を楽しむことが出来ます。これに新米を合わせたら、もう止まりません。お弁当にも、彩りが加わって重宝する一品です。

 

しまうりが手に入った時は、ぜひ「てっぽう漬け」、お試しください。

 

 

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