【フランス流 心と体と地球にやさしい食卓 Vol.6】冬の煮込みは徹底省エネ。キャベツとベーコンの赤ワイン煮込み

【フランス流 心と体と地球にやさしい食卓 Vol.6】冬の煮込みは徹底省エネ。キャベツとベーコンの赤ワイン煮込み

2013 リヨン

 

エコを意識して生活すると、避けては通れないのがエネルギーの節約です。
「エネルギーを無駄遣いしないことは、地球のためにも大切!」と前々から思っていた人はもちろん、最近はエネルギーの高騰で、今まで気にしたことがなかった人でも省エネが気になるこの頃。
日本でも「電気代が30%上がるかも」なんていうニュースもあり、「どうすればいいの!」と思っている人も少なくないのでは。
その悩みは世界各国で同じようですが、フランスでは環境エネルギー管理庁(ADEME)が「電気代を減らすには」「快適な冬を過ごすには」のようにかなり具体的に省エネの方法を一般人向けに指南していて、その内容は日常の注意点から家のリフォームにまで及びます。
もはや国を挙げての省エネ作戦ですが、もともと無駄を嫌う人たちのこと、この際細かいところも気をつけて”毎月の請求”を減らそうという意気込みが見えます。エネルギー不足は困った状況ではありますが、難しい時ほどみんなで乗り切ろうとするのが私のフランスの好きなところです。

 

私が見つけて良いなと思った、お料理や食卓での工夫を少しご紹介します!

 

 

夜は暗くて当たり前。キャンドルの明かりで過ごせば雰囲気も素敵に!

 

エネルギーが高騰する前から、夜は電気をほとんど点けずにキャンドルで過ごすという人は少なくありませんでした。フランス版ニトリとも言うべき「Home Déco」に行けば何十種類もの瓶詰めタイプのキャンドルが売られています。私もリヨンでは夜はキャンドルの明かりだけで生活していましたが(写真は当時の1枚)、慣れれば十分明るく感じるようになり、食卓も雰囲気がアップします(火事には注意!)。

 

 

調理中は鍋の蓋を閉めて熱効率を大幅UP!

photo by Dan

 

ポトフやカスレが良い例ですが、フランスの家庭料理はコトコト鍋で煮込む料理が多いです。
料理の様子が気になってつい鍋の蓋を開けっぱなしにすることもありますが、蓋の有る無しで熱効率が大きく変わるそう(20%ほど変わるという話も)。
鍋の中は気になりますが、調理中は鍋を閉めましょう。

 

 

湯沸かし温度は80度に。その100度、本当に必要?

photo by Tito Perez

 

熱々が大好きな日本人としては目から鱗のアイデアでしたが、お茶やコーヒーを淹れる時など、必ずしもお湯を沸騰させる必要はない時はあります。そんな時は沸騰直前で火を止めてしまいましょう。温度設定ができる電気ケトルも設定を低めにすることで節約になります。

 

 

オーブンの設定時間は実際の調理時間よりも少し短く。予熱で調理しよう!

photo by Elise Bauer

調理時間が長い料理を作るときほど有効なアイデアです。例えば200度でチキンを焼くとき、最後の5分は予熱で十分な可能性が。思えば使い終わった時のオーブンの熱をそのまま冷ますのはもったいないですね。

 

いかがでしょうか。フランス流の楽しさや合理性を追求したエコアイデア、皆様もよければ活かしてみてください。

 

 

省エネで作る!キャベツとベーコンの赤ワイン煮込み

フランス家庭料理には煮込み料理が多いことは先ほどお話しましたが、エネルギーが貴重な今、1時間や2時間も煮込むのはちょっと勇気がいることです。
でも何時間も煮込んだのと同じように、野菜は柔らかく、お肉はホロホロに仕上がる魔法のような調理法が「保温調理」。

食材もエネルギーと同じように高騰している今ですが、そんな中でもお手頃に手に入る嬉しい食材”キャベツ”を使って、フランス家庭の雰囲気たっぷりのキャベツとベーコンの赤ワイン煮込みを作ります。

 

 

材料(2人分) 分量
キャベツ 大1/4玉
玉ねぎ 小1個
ベーコン(脂身が多いもの) 2〜3枚
ソーセージ 4本
トマト缶(ダイスカット) 200g
赤ワイン 100ml
ナツメグ・胡椒 適量
適量
※お好みでコンソメキューブ 1/2個

 

 

旨味とコクのもとになるので、ベーコンは思い切って脂身がほとんどのものを選んでも。
パンチェッタもオススメです。

 

 

つくりかた

 

 

熱した鍋に短冊状に切ったベーコンとくし形に切った玉ねぎを入れ、ベーコンから脂がたっぷりと出るまで中火で炒める。

 

 

赤ワイン、トマト缶を加え、水を約100ml加えて沸騰するまで加熱する。

 

 

縦に3等分したキャベツを鍋に入れ、ナツメグ、胡椒、塩(お好みでコンソメ)を加えて蓋をし、3分くらい中火で加熱。

 

 

キャベツがしんなりして全体がスープに浸かったらさらに3分ほど加熱して再度沸騰させる。

 

 

鍋全体を保温して30分置く。30分経ったら再度加熱してまた30分置く。
私は写真の道具で鍋を包んで保温しています。薄い布団のようなものですが、不思議なことにしっかりと保温されます。
保温調理できる専用の道具をお持ちの方は是非そちらをご利用ください。

 

 

ソーセージを加えて5分ほど加熱して出来上がり。

 

 

ガスを使う時間はたったの15分ほどで煮込み料理が完成しました。
キャベツはトロトロ、スープはコクと旨味たっぷりの赤ワイン煮込みの出来上がり。
付け合わせはパンはもちろん、クスクスもオススメです!

春の暖かさまではもう少し。工夫を楽しみながらエコを進めていきましょう!

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