フランス料理には、日本料理と共通するところがたくさんあります。たとえば料理の基本となる「出汁」。
フランス料理の出汁として有名なのは、フォン・ド・ヴォーでしょう。仔牛の骨や野菜をじっくりと煮詰めてとるフォンは、まさに至高の味です。
そして、そんなフォンと対となるのが「フュメ・ド・ポワソン」です。今回は「フュメ・ド・ポワソン」の作り方を詳しくご紹介します!
目次
そもそも「フュメ・ド・ポワソン」とはどのようなスープ?
フュメ・ド・ポワソンとは、一言で言えば「魚出汁」のこと。魚の骨やアラ、身などと一緒に香味野菜を煮詰めて旨みを抽出したものをいいます。
フュメ・ド・ポワソンはそのまま塩・コショウなどで味つけしてスープとして楽しめるほか、メインディッシュのソースとしても活躍します。
魚介系の旨みですから、特に魚料理との相性は抜群ですよ。
「フランス料理」というと少し難しそうな印象があるかもしれませんが、実はフュメ・ド・ポワソンは家庭でも簡単に作ることができます。
フュメ・ド・ポワソンの作り方をマスターして、ご家庭で本格的なフレンチを楽しみましょう!
フュメ・ド・ポワソンを作るのに必要な材料(2~4皿分)
材料 | 量 |
---|---|
水 | 1L |
魚のアラ | 1~2尾分(魚の大きさによる) |
セロリ | 1本 |
玉ねぎ | 1個 |
にんにく | 1個 |
ローリエ | 2枚 |
白ワイン | 200ml |
フュメ・ド・ポワソンを作る上で使用した調理器具
調理器具 | 用途 |
---|---|
鍋 | (煮込み用) |
ザルまたはシノワ | (濾す用) |
お玉 | (アク取り用) |
フュメ・ド・ポワソンの作り方
魚のアラを下茹でする
魚のアラにはうろこが残っていたり、血や血合いが残っていたりします。
これらは臭みの原因となるので、熱湯にサッと通して下処理をしておきます。
茹で時間は身の大きさによりますが、魚の表面全体が白くなる程度。一般的には15秒~1分程度で十分です。
魚のアラを掃除する
下茹でが完了したら、魚のアラをザルにあけて流水にさらします。
水をあまり強くあてると身が崩れてスープが濁ってしまうので注意。
魚の身に残っているウロコや血・血合いなどをていねいに掃除します。
ウロコは特に魚のカマ(エラ)部分に多く残りやすいので注意が必要です。
また、血や血合い肉は茶色く変色していますから、そういった部分もていねいに除去してください。
魚のアラを鍋に戻し、香味野菜を加える
鍋を一度洗ったら掃除した魚のアラを戻して分量のワインを注ぎ入れ、ひたひたに水を注ぎます。
にんにくやセロリなど野菜は適当にカットして入れてください。
時間をかけてじっくり煮出すなら、丸のまま入れてしまってもかまいません。
煮ながらアクをすくい取る
鍋を強火にかけて一度沸騰させたら中火に落とし、コトコトと煮込みます。
アクがたくさん出てきますので、都度お玉ですくいとってください(アクは臭みや雑味の原因となりますので、ていねいに除去しましょう)。
煮込み時間は素材の質や量によりますが、1時間も煮込めば素材から旨みが出てきているのがわかるはず。
あとはお好みの濃さになるよう適宜調整すればOKです。長時間煮込むことで水の量が減ってきたら、都度水を注ぎ足しましょう。
スープを濾す
十分に出汁がとれたら、スープをゆっくりと濾します。
シノワやザルを使ってこしますが、鍋を傾けてザーッと濾すとスープが濁ってしまうので、お玉などを使いながら少しずつ濾していきましょう。
そしてできれば二度濾しすれば理想的。
一度目はシノワやザルなどで具材を濾し、二度目はシノワやザルにさらしやキッチンタオルなどをひいて細かい濁りを濾すといった具合です。
これでフュメ・ド・ポワソンの完成!
フォンのように使える万能調味料「フュメ・ド・ポワソン」
できたてのフュメ・ド・ポワソンは、魚の出汁と香味野菜の出汁だけが抽出されている状態です。
ここに塩・コショウなどで調味し、イタリアンパセリを浮かべてスープとして楽しむことができますし、バターやオリーブオイル、ワインなどと合わせ、スパイスやハーブなどで香りづけすればソースやドレッシングとして使うこともできます。
製氷皿などに入れて冷凍保存すれば、いつでも手軽にフュメ・ド・ポワソンを使った料理を楽しめますよ。
平凡な家庭料理が華やかになること間違いありません!ぜひ挑戦してみてくださいね。
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