こんにちは!お料理クラブパルタージュの竹本です。
毎日の食卓に取り入れることができる「フランスの家庭料理」をご紹介しています。
2018年春 リヨンの丘から。
新型肺炎コロナウイルスの影響で世界中の人が外出ができない状態が続いています。
こんな毎日なので、以前にも増してごはんの時間が大切な楽しみの時間になった方も多いのではないでしょうか。
フランスの友人も、家で子どもたちとパンを焼いたり、お菓子を作ったりして、食事を作ることも遊びにしているとのこと。
私も今回は、美味しく作れたら嬉しい!ガレットとクレープの本格レシピをご紹介します。
目次
ガレットとクレープは週末の食卓の定番!
ガレット・コンプレ
塩キャラメルのクレープ
ガレットは、フランスのブルターニュ地方の郷土料理です。
小麦粉ではなく蕎麦粉を薄く焼いた生地に卵やハム、チーズを乗せて焼いた食事ですが、蕎麦は厳しい環境でも育つ強い穀物だったことから、ブルターニュの東部では何世紀も主食としてガレットが食べられていました。
定番は、卵・チーズ・ハムを乗せたガレット「ガレット・コンプレ」です。
ガレットと違って小麦で作られたものがクレープです。ガレットは塩味の食事になるものが大半ですが、クレープは甘いソースや果物と一緒に、デザートとして食べるのが主流。
とくにたっぷりのバターで焼いた生地に、ブルターニュ産のバターとクリームで作った塩キャラメル(キャラメル・ブール・サレ)のソースをかけたものはたまらない美味しさです。
フランスではどこの街のスーパーマーケットに行ってもガレットとクレープの生地だけを冷凍したものを売っていて、定番の食材です。とくにクレープは、一番最初にお母さんから習ったお菓子だったという人が少なくありません。料理は苦手でも、クレープだけは作れるというフランス人によく会います。
ただ、ガレットもクレープも生地を薄く破れないように作るには、ちょっとだけコツがあります。
今回は「ガレット・コンプレ」と「塩キャラメルのクレープ」を作りながら、料理上手のフランスのママから聞いたコツを、特別にお伝えしようと思います。
特別な道具は、必要ありません!
ガレット・コンプレの材料(5〜7枚分)
ガレット生地 | |
---|---|
材料 | 分量 |
蕎麦粉(国産でOK) | 170g |
卵 | 1個 |
冷たい水 | 380ml |
海塩 | 5g |
有塩バター | 適量 |
【中味の食材】
- 卵
- ハム
- チーズ(グリュイエールチーズや削ったパルメザンなどお好みのもの
- 黒胡椒
ガレット・コンプレの作り方
大きめのボウルに蕎麦粉と塩を入れ、水を少しづつ加えながら伸ばしていきます。
今回は秋田県産の蕎麦粉を使いましたが、蕎麦粉の品種や製粉度合いによって出来上がりの風味の強さや色が変わるので、興味のある方はお好みの粉を探してみてください。
蕎麦アレルギーのある方は、全粒粉や米粉を代用されても美味しくできます。
水・卵で生地を伸ばしたら、泡立て器で生地を持ち上げながらボウルの壁に打ち当てるようにして撹拌します。
蕎麦粉にはグルテンが含まれないので、ただ混ぜただけでは焼いた時に破れやすくなります。
しっかり練ることでタンパク質が粘りを持つので、この工程は一番のポイントです。
冷蔵庫で生地を1時間寝かせます。
テフロン加工のフライパンを中火で熱し、バターを適量溶かしたら生地を流し入れ、素早く回して全体に生地を広げます。
写真のような状態になったら強火にして、ハム・卵・チーズ・黒胡椒の順に乗せます。
縁がめくれ上がって、生地が全体的にパリパリになったら縁を織り込んで完成です!
林檎のお酒、シードルもお忘れなく!
塩キャラメルのクレープの材料(5〜7枚分)
クレープ生地 | |
---|---|
材料 | 分量 |
薄力粉 | 100g |
牛乳 | 200ml |
卵 | 1個 |
砂糖 | 大さじ1 |
溶かしバター(無塩) | 15g |
サラダ油 | 大さじ2/3 |
グランマニエなどお好みのリキュール | 大さじ1 |
塩キャラメルのクレープ生地の作り方
クレープ生地はガレットに比べるととても簡単です。ふるった薄力粉に卵、牛乳、砂糖、サラダ油、溶かしバター、リキュールの順に加えてよく混ぜ合わせ、15分ほど冷蔵庫で寝かせます。
ガレットと同じ要領で、バターを伸ばしたフライパンで両面をしっかり焼いて折り畳みます。
塩キャラメルソースの材料
市販のキャラメルと牛乳を電子レンジで温めて混ぜ合わせても簡単に作れますが、せっかくなので本場の作り方をご紹介します。
塩キャラメルソースの材料(250mlの瓶1本分) | |
---|---|
材料 | 分量 |
粉砂糖 | 130g |
発酵バター(無塩) | 40g |
生クリーム(乳脂肪分35%) | 200ml |
海塩 | 小さじ2/3 |
ブルターニュは海に面した地方です。塩といえば海水から作るミネラル豊富な海塩が主流。有名なゲランドの塩もブルターニュ産です。
今回はブルターニュ産ではないのですが、ミネラル豊富で尖りのない味わいのマルドンの塩を使いました。
バターは普通のバターでも美味しくできますが、原料のクリームを乳酸菌発酵させた発酵バターを使うと、より本場に近い味わいに仕上がります。
塩キャラメルソースの作り方
深めの鍋(吹きこぼれるので必ず深めの鍋を使ってください)に粉砂糖だけを入れて、弱火で火にかけます。
このとき、生クリームを電子レンジなどで軽く温めておきます。
5分くらい加熱していると、写真のように飴状になります。
色が茶色くなって泡立って来るまでさらに5分くらい加熱します。
砂糖が飴色になったら、温めた生クリームを一気に加えてしっかり混ぜます。
最初は泡立ちますが、だんだん落ち着いてきます。
バターを加えて、さらに混ぜ合わせます。ちょうど良い粘度になるまで加熱したら完成。
塩キャラメルのソース。キケンなほど美味しいのでご注意を・・・。
クレープをお皿に乗せて、塩キャラメルのソースとお好みでアイスクリームを乗せて完成です。
お家にいる時間が長い今こそ、お家で楽しく作れる料理にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
我慢のときも、工夫をこらして楽しく過ごしていきましょう!
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