前号:【満木葉子の日本茶完全攻略法vol.32】お茶に花が咲くって知ってる?ではお茶に花が咲くというおはなしをしました。
花が咲けば実もなる!ということで、今回は茶の実についてのおはなしです。
目次
茶の実ってどんなの?
これが茶の実です!先日訪問した京都建仁寺の「平成の茶苑」の生け垣で見つけました。
まだ青い、若い実ですね。
これが熟して、このように中の種子が顔をのぞかせます。
1つの実に種子が3つ4つはいっています。
1つはこれくらいの大きさです。昔は種を蒔いたりもしましたが、今は苗や挿し木で増やすので使われることはほぼありませんが、これが実は大きな可能性を秘めているのです!(実だけに!!)
化粧品に茶の実油
この実をぎゅぎゅっと絞って作ったのが「茶の実油」。オレイン酸やビタミンEが豊富で美容・健康への効果が期待されています。 スーパーなど身近で販売されていることがないのであまりご存じないかもしれませんが、化粧品に使用されていたりします。
日本茶が近年脚光を浴びたことでお茶を使用していることを謳う化粧品が増えました。 茶の実油は希少なため、緑茶エキスを使用したもののほうが多いような印象です。 茶の実油を使用したものはラベルに「ティーシードオイル」或いは「チャ種子油」と表示されています。
有名どころではTHREEが国産の茶の実油を使ったものを販売しています。
料理にも使える茶の実油
純粋な「茶の実油」も販売されています。2つご紹介しますね。
白形傳四郎商店さん
こちらの商品が最もメジャーな茶の実油ではないでしょうか。
静岡駅のお土産屋でも取り扱っていたりします。
緑門さん
緑門さんは日本で唯一の茶の実油専門店です。代表の下山田さんは「日本茶の実油協会」の理事もされていて、最近では太陽光パネルの下で茶の実油をとるための茶園を作ることに携わったり、とても活発に活動をしています。
茶の実油の動向を知りたい、なにかしてみたい方はこちらの協会をフォローするといいですよ。
茶の実油は料理にも、美容アイテムとしても使えますが、ちょっぴりお高めではあります。
肝心の風味はというと、緑茶の爽やかな香りがふわりと・・ふわりと・・・するといいのですが、残念ながらお茶の香りはしません。 どちらかというとナッツのような感じです。
気になるけどお高いしどうしよう~という方にはこちらをオススメします!
「グリーンティージェノベーゼ」は前出の緑門さんの商品で、茶葉と茶の実油にニンニクやチーズを加えたジェノベーゼ風のソースです。
言われなければお茶とは気づかないかもしれませんね。パスタにかけてよし、パンにつけてよし。税込み1,100円です!まずこのあたりからは試してみるのはいかがでしょう?
茶の実油の未来
前号にも書きましたが、放棄茶園や自然栽培など人の手が入っていない茶の木に花が咲き実がなります。 耕作放棄茶園の有効活用法として注目が集まり茶の実油を作り始めた人たちが全国にいます。 しかしながら茶の実の採取の難しさなどから既にやめてしまったところもあります。
わたしも経験しましたが、雑草が生え放題でハチが飛び回る藪と化した茶の木の足下にしゃがんで茶の実を拾うのはかなりハードでした。苦労をして集めても絞って油になるのは重量の1割程度。希少な理由がお分かりいただけることと思います。
特に化粧品方面の引き合いは多く、供給が追いついていません。今後は下山田さんたちの太陽光パネルの取り組みのように、茶の実油を作るために整備された茶園で作るところが増えるのではないでしょうか。それくらい茶の実油には魅力があり、未来があるということです。
花も実もENJOY!日本茶!!!
《参考リンク》
■緑門
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