こんにちは、ゴルマルヤム・マスウード・アンサリーです。
世界には、旧正月や、ロシア正教会のクリスマスなど、日本でも使われている太陽暦の日付とは違う暦で祝われるお祭りがありますが、イランの新年も日本のお正月、世界のニューイヤーズデイとは異なることをご存知ですか?
この新年はノウルーズと呼ばれ、イランだけでなく、中央アジアから北アフリカまで、広大な地域で祝われますが、古代イランのゾロアスター教の祝祭日が基となっていると言われています。
目次
イランの新年は日本の春分の日
イランの新年は、日本の春分の日、つまり昼と夜の時間が等しくなる春の日を1月1日と数えます。ノウルーズの風習の1つは、(ハフトスィーン) と呼ばれる特別なテーブルを飾ることです。
毎年、春の到来と新年の数日前に、ハフトスィーンのテーブルを準備します。このテーブルは食事をするテーブルとは別のテーブルで、リビングの良い場所に置く、飾りのためだけのテーブルです。そのテーブルにカバーを掛けてゴージャスに飾ります。
ハフトスィーンは「7つのS」を意味します。ハフトは7で、スィーンはSという意味です。ペルシャ語のSで始まる果物などをテーブルに飾ります。数字の7は、古代イラン人の間で神聖であっただけでなく、現代のイラン人にとってもラッキーナンバーです。
ハフト・スィーンで飾るのは
1.サブゼ(麦の芽立ち)…無限の純度の象徴
2.スィル(ニンニク)…アフラ・マズダーの象徴
3.ソマグ(ハゼの実)…雨と新鮮さと活力の象徴
4.センジェド(ナナカマド)…愛着と恵みの象徴
5.スィブ(りんご)…出生力、看護、健康の象徴
6.セルケ(酢)…不死と永遠の象徴
7.サマヌー(麦芽のお菓子)…良い祝福の象徴
8.セッケ(コイン)…祝福と所持の象徴
9.ソンボル(ヒヤシンス)…春の象徴
10.アイエネ(鏡)…透明性と明快さの象徴
11.トフメモルゲ・ランギ(絵付けしたタマゴ)…生命の象徴
では、ノウルーズの夜に出される料理を挙げていきましょう。
以前ご紹介したクク(https://googoofoo.jp/fingerfood_vol4/)や、魚、野菜ピラフや麺類が供されます。
ノウルーズの夜のお料理
普段は、種類の多いケバブなど、肉料理を好むイラン人ですが、なぜかこの夜だけは、あまり肉は食べません。
その代わりに、多くの街や家庭では、魚を食べることになっています。一般的には、カスピ海で取れるコイ科の白身魚を使います。一匹丸ごとのまま、油を多めに入れたフライパンでディープフライにします。
野菜のピラフ(サブジ・ポロ)は、炊いたご飯にディル、パセリ、コリアンダー、フェヌグリーク、ニラなどの新鮮な野菜を混ぜて作る、言うなれば混ぜご飯です。
このピラフを、ノウルーズの夜に魚のフライやグリルと一緒に出します。ごく一部の都市では、肉を添えた野菜のピラフも伝統的なノウルーズディナーです。昔は、この野菜ピラフを食べると心臓と腸が元気になり、体が潤うという説がありました。
一方、サブジ・ポロ(野菜のピラフ)の代わりに麺のピラフ(レシュテ・ポロ)を作り、これを食べることで、年始から元気に仕事ができると信じる人もいます。この麺のピラフと揚げたナツメヤシとレーズンを合わせると、精力がつき、気分も温まると言われています。
こうして、イラン人は毎年盛大に新年を祝います。13日間も仕事を休む人がいるくらいです。
老いも若きも新年を祝い、春の訪れを楽しみ、13日間の最後はピクニックで締めくくります。
Happy Nowrooz!
ハッピーノウルーズ!
春分の日おめでとうございます。
皆さんも春を楽しみましょう!