秋が深まり、テレビで、紅葉前線のニュースが流れるこのごろ。
先日、青森のアンテナショップの前を通りかかると、紅葉の赤同様、真っ赤な色が目に飛び込んできました。
りんごの紅玉(こうぎょく)です。小粒で、酸味の強いこちらの品種は、1800年代終わりに、アメリカからやって来たジョナサンという品種が元だといわれています。
今回は、そんな長い歴史を持つ「紅玉」を使った「紅玉りんごのさっと煮」のレシピをご紹介。トッピングで相性ぴったりの「ヨーグルトクリーム」のレシピも載せています。ぜひお試しくださいね。
目次
世界のりんご文化と魅力
20代の頃住んでいたロンドンでは、赤レンガ造りのフラットの庭に、小粒の真っ赤なリンゴがたくさんなっていたのを思い出します。こちらは、コックス・オレンジ・ピピン(Cox’s Orange Pippin)という品種で、イギリス人が大好きなリンゴの代表選手です。
地下鉄で、お腹や、片腕の袖のところで、キュキュッとこすって、皮つきでそのままかぶりつくロンドンっ子の姿をよく見かけました。「一日一個のリンゴで医者いらず」(An Apple a day keeps the doctor away)という慣用表現があるほど、イギリスでは、ものすごく生活に密着したフルーツです。
味はというと、酸味と甘みのバランスが良く…とよく紹介されていますが、私には、かぶりつくと、目玉が思わず大きく見開かれるほど、しっかりと酸っぱいリンゴの記憶があります。(酸っぱすぎるのは苦手なのです)
その後、移り住んだマンハッタンでは、週末は郊外のリンゴ狩りに、よく出かけました。マンハッタンは大都市ですが、高速で15分も走ると、鹿が飛び出してくるほど緑豊かな森があり、果樹園農家もたくさんあります。
ここでは、Eating Apple(生食用のリンゴ) とCooking Apple(調理加熱用のリンゴ)と、リンゴがちゃんと種類分けされていて、ニューヨーカーも、その時々のニーズによって使い分けているようでした。色、サイズ、味と、ものすごくバラエティが豊かだったのを思い出します。
11月末のサンクスギビング(感謝祭)ではパイを食べますが、ピーカンナッツ、パンプキン、と並んでなくてはならないアップルパイ。「うちは、このリンゴを使って作る。煮るのがベスト。いやいや生でそのまま包んで焼くのがベスト!」とそれぞれの家庭の主婦が熱くアップルパイ議論を戦わせていたのを思い出します。
そんなことを懐かしく思い出しながら、紅玉を買ってみました。煮ても身崩れのしない紅玉は、加熱して、タルトタタン、アップルパイの中身や、さっと煮てコンポートにするのがおすすめです。皮は固いので、むいて、煮るときに実と一緒に入れるのがおすすめです。煮て半日~1日経つと、きれいなピンク色に染まってきます。
今日はものすごくシンプルな「紅玉のさっと煮」のご紹介です。多めに作って、冷蔵で3~4日、冷凍で2~3週間楽しめます。
甘さはりんごの重さを測って決めますが、重量の20~40パーセントの砂糖を加えます。私は、今回、生食感覚!?(デザート感覚!?)で食べたかったので、控えめに20%の砂糖を加えてみました。紅玉の甘みや、ご自身の好みによって加減してみてくださいね。
紅玉りんごのさっと煮の材料
材料 | 分量 |
---|---|
紅玉 | 1㎏ |
砂糖 | 200g |
紅玉りんごのさっと煮の作り方
1.紅玉の皮をむき、芯をのぞいて、8つ割りにする。
2.鍋に1の紅玉と、紅玉りんごの皮、砂糖(紅玉の重さに対して20%)を加えて、火にかける。
3.ふつふつとしてきたら、火を落とし、蓋をして、約5分ほど煮る。火を止めて、りんごの皮をそのまま取り除かずに冷ます。
4.半日置くと綺麗な色が出てくる。余った分はラップに包んでジップロックに入れて冷凍保存する。2~3週間以内に使い切る。
【アレンジレシピ】ヨーグルトクリームの材料
材料 | 分量 |
---|---|
ヨーグルト | 1/2カップ |
生クリーム | 1/2カップ |
砂糖 | 大さじ1 |
【アレンジレシピ】ヨーグルトクリームの作り方
1.ざるにキッチンペーパーをしいた中で、ヨーグルトを一晩水切りをする。
2.生クリームに砂糖を加えて8分だて(柔らかなツノが立つ状態)にし、1と混ぜ合わせる。
3.水切りしたヨーグルト1/2量と泡立てた生クリーム1/2量、砂糖を混ぜたものを、カップの底に敷き、紅玉りんごのさっと煮を上に載せて完成。
堀池美由紀のワンポイントアドバイス
水切りヨーグルトと生クリームを混ぜたものは、生クリームだけの材料よりも、さっぱりとしていて、でもコクがあってとっても美味しいですよ。フルーツサンドを作るときにも重宝する配合クリームです。
「紅玉りんごのさっと煮」は、余った分はラップに包んでジップロックに入れて冷凍保存してくださいね。冷蔵保存でで3~4日、冷凍保存でで2~3週間以内に使い切るのがベストです。
りんごが旬の寒い季節。
ぜひ手間いらずの簡単に調理できる「紅玉りんごのさっと煮」をお試しくださいね。
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