【麹王子の食べる美容酵素vol.5】知られざる味噌のパワー!効果効能や栄養成分とは?

【麹王子の食べる美容酵素vol.5】知られざる味噌のパワー!効果効能や栄養成分とは?

日本の伝統的発酵調味料として「和食」の味を支え、世界から「完全栄養食」とも注目されている味噌。

同時に、食塩を含むことから高血圧症の原因になるとされ、消費者から敬遠されがちでもある味噌。

 

その秘めたポテンシャルが開花するまでに、未だ時間がかかっている現状です。

ですが最近の研究において、味噌汁の塩分摂取量では高血圧症の原因にはなりにくいことが解明されています。動物実験による臨床結果では、味噌に含まれる食塩が直接的に血圧上昇の原因にならないことを証明しました。

(参照:海老澤香里, et al. “習慣的味噌汁摂取の抗高血圧作用の機序.” 日本醸造協会誌 109.3 (2014): 126-136.

 

味噌の食塩に焦点を当てるよりも、機能性に注目をし、身体が喜ぶように感謝しながら、美味しいと感じながら食事をいただく方がより健康に良いのではと私は思っています。

 

味噌こそスーパーフード?知らなきゃ損する味噌にまつわる話」の記事に続き、今回も味噌について少しご紹介していきたいと思います。

 

 

 

【味噌の効果効能①】血圧上昇を抑制する

手作り味噌のパッケージの様子

 

味噌には多くの成分が含まれています。

その栄養成分などが身体にどう影響していくのか、今後の研究への期待が大いに持たれているようです。

 

味噌の材料となる「麹」「塩」「大豆」。大豆の利点はさまざまありますが、中でも特徴的な効果は高血圧の改善について。

 

味噌は「高血圧を改善する」という研究結果があり、既に動物実験で検証されています。

 

渡辺敦光さんの著書「味噌力」によると、同じ食塩量を摂取したラットを用いた実験では、味噌を食べていたグループとそうでないグループの血圧の差が10mmHgあり、味噌を食べていたグループでは高血圧を抑制していたそうです。

 

味噌には血圧を下げる成分、そして腎臓から塩分を排出しやすくする成分が含まれています。

 

飢餓が当たり前に起きていた数百万年前の祖先の体には、塩分を体内にとどめておく仕組みが必要だったそうです。そこで、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系という、生体に塩分を保持し血圧を上昇させる生命維持に欠かせない仕組みが重要視されました。

 

飽食時代の現代では、昔と比べてはるかに食べ物に困る頻度は減りました。それと同時に、塩分過多となった食生活となり、塩分を体内にとどめておく仕組みがかえって引き金となっているのです。

 

動脈硬化や腎障害の増強を引き起こす可能性のある仕組みを抑制しておくことが、改善の近道とされているようです。

 

 

 

味噌に含まれる成分「ニコチアナミン」とは?

 

味噌に含まれる「ニコチアナミン」という成分が、このレニン系の亢進を抑え、血圧を低下させる可能性があると言われています。

 

そして、味噌には交感神経の高まりを抑える成分と、腎臓から尿へナトリウムの排泄を高める働きもあるとされています。

 

ラットを用いた実験では、12週間(約3ヶ月間)味噌汁を摂取した場合、脳の酸化ストレスの減少に味噌汁が関与しているという結果が出ています。

 

こういった影響は、単に「味噌」というイメージからは想像もつかないポテンシャルを秘めている事が読み取れます。

(参照:Du, Dong Dong, et al. “Blood pressure reduction by Japanese traditional Miso is associated with increased diuresis and natriuresis through dopamine system in Dahl salt-sensitive rats.” Clinical and Experimental Hypertension 36.5 (2014): 359-366.

 

 

 

【味噌の効果効能②】自律神経を整える

味噌のアップの様子

 

2017年、味噌に関する研究報告が多く上がっています。中でも興味深いのは、〈味噌の習慣摂取が自律神経を改善する〉という発表です。50〜81歳の計527人の被験者を対照に、健康診断を行った調査結果によるものです。

 

実験による結果は、以下の通りです。

  • 味噌汁の摂取頻度が高い人は、心拍数が低い。
  • 味噌汁の摂取頻度が低い人は、心拍数が高い。

 

「心拍数は自律神経の状態を表す」とされており、心拍数が増加すると交感神経が活発になっているサインとして読み取るそうです。

 

ここで疑問としてあがるのが、『味噌を飲むほど塩分摂取量が増えるので、血圧が上がるのではないか?』です。

 

ところが下記の論文によると、対象者の血圧が高いという事実は見られなかったそうです。

(参照:Ito, Koji, et al. “The effects of the habitual consumption of miso soup on the blood pressure and heart rate of Japanese adults: a cross-sectional study of a health examination.” Internal Medicine 56.1 (2017): 23-29.

 

 

 

ナトリウムは生命維持に欠かせない成分

 

現代では、様々な「減塩」を謳った商品があります。「減塩はした方が良い」というイメージも強いのではないでしょうか。一概に「」と言っても、様々な種類があります。

 

私の経験談ですが、加工されていないミネラルを豊富に含んだ天然塩を舐めるだけで偏頭痛が改善されたり、身体の倦怠感が和らいだこともあります。

 

塩は悪者にされる事が多いですが、ナトリウムは生命活動に必ず必要な成分です。塩が身体に及ぼす影響は、無視できないほど素晴らしいパフォーマンスを持っているんですね。

 

味噌を飲めば飲むほど血圧が下がる、とは簡単にはいきませんが、味噌の塩分を気にする必要はないように思いますし、むしろ積極的に摂取した方が良いように私は思います。

 

つまり、塩単体と味噌に含まれている塩分とでは、食べた時の塩分の摂取量が全く異なるということです。

 

理想を申し上げますと、市販の味噌よりも、手作りの味噌のほうが最高の栄養食です。何事も手作りに勝るものはありませんが、忙しい現代社会において味噌を作るのは面倒でもあります。

 

ですが、味噌だけは生の素材から仕込み、生の物を摂取する。それだけの価値は十二分にあります。

 

味噌の医者殺し」というコトワザは伊達ではありません。感染症やインフルエンザ、風邪、日々の倦怠感や疲れから、身体を回復させてくれます。

 

サプリメントや栄養剤も良いですが、スプーン一杯の味噌を毎日に加えてみてはいかがでしょうか。

 

それではまた次回お会いしましょう。

いつも有難うございます。

 

 

 

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